インタビュー:リチウムイオン電池価格を2017年度までに半分へ=NEC常務

2010年 09月 3日 23:22 JST
 
check

 [東京 3日 ロイター] NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)の国尾武光・執行役員常務は3日、ロイターとのインタビューで、電気自動車(EV)に搭載するリチウムイオン電池について、2017年度までに価格を半分に引き下げることを目指していると話した。

 走行距離は2倍にしたいとも述べた。この目標は、EV「リーフ」の大量生産を計画する日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)との共同作業で実現を図っていくという。

 NECは7月から神奈川県相模原市の工場でリチウムイオン電池の主要部品である電極の量産を開始。2010年度中に年間生産能力を200万キロワット時(EV約10万台分)に、12年度には1000万キロワット時(同50万台分)に増強する計画。電極は、日産(51%)とNECグループ(49%)が共同出資する「オートモーティブエナジーサプライ(AESC・神奈川県座間市)」に納入する予定で、AESCは12月に発売する「リーフ」に搭載するリチウムイオン電池を生産する。

 国尾常務は「日産のEV展開でNECは戦略パートナー」とした上で「日産といつも議論しているのは、リチウムイオン電池も電極も、性能とコストをどこまで安くできるかだ」と話した。さらに、日産がリーフを大量生産する12年に続き「次の世代のEVは17年度くらいに出てくる」と指摘した上で「それまでには、価格半分・性能2倍のものを出していかなければ、日産からみても魅力ある電池にならないので、NECの技術で開発していきたい」と述べた。

 リチウムイオン電池の価格については「NECの電池は(日産のEVへの搭載で)最初から大量生産するので他社より安いのではないか」との見方を示した上で、それ以上の価格引き下げについても「さらに量を出すことでドラスティックに値段が下がる」と指摘。また、現行のリーフの走行距離は1回の充電で160キロだが「同じ電池のサイズでも2倍の320キロになるようにしていきたい」と述べた。

 電極の生産能力を12年度に1000万キロワット時に増強するための設備投資について「数百億円の投資は必要だが、より安く作っていくのが務めなので正確には決めていない。製造業としては、同じ性能でもコストを低減して作る努力をしなければいけないし、(12年度までに)装置の値段も低くしていく必要がある」と述べた。

 <12年度1000億円の売上高、ほぼ日産向け>

 NECはリチウムイオン電池用電極を含むエネルギー事業の売上高を09年度の数十億円から12年度に1000億円にする計画。12年には日産のリチウムイオン電池の生産能力が日米欧の拠点を合わせて50万台分に達する見通し。国尾常務は「日産が積極的な計画を立てているので、そこにきちんとした性能とコストで出すことを考えていく」と述べて、12年度の1000億円の売上高は、ほぼ全量が日産向けになるとの見通しを示した。

 エネルギー事業は17年度に3000億円にする計画で、2000億円はEV向けで、残り1000億円はスマートグリッド(次世代送電網)関連を見込む。EV向けリチウムイオン電池は日産グループが製造するが、スマートグリッド関連については、電極だけでなくリチウムイオン電池までNECが手がける方針。具体的なスマートグリッドの展開については「いろいろ模索している最中で、これから12年度までの間に実証実験を繰り返していく」と述べるにとどめ、明電舎(6508.T: 株価, ニュース, レポート)とリチウムイオン電池を使ったビルの省エネシステムの実証実験に乗り出すことなどを通じて、ノウハウを蓄積していく意向を示した。

 (インタビュアー:村井令二 泉沙智)

 9月3日、 NECの国尾武光・執行役員常務は、2017年度までにリチウムイオン電池の価格を半分に引き下げることを目指していると話した。写真は5月都内本社前で撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)
最新ニュースのほか、ブログやコラム、スライドショーなどの最新情報をお届け