特別リポート:地に落ちた安全神話─福島原発危機はなぜ起きたか

2011年 03月 30日 11:22 JST
 
check

 布施 太郎  

 [東京 30日 ロイター] 巨大地震と大津波で被災した東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)・福島第1原子力発電所から深刻な放射能汚染が広がっている。「想定外だった」と政府・東電が繰り返す未曽有の大惨事。

 ロイターが入手した資料によると、事故の直接の原因となった大津波の可能性について、実は東電内部で数年前に調査が行われていた。なぜ福島原発は制御不能の状態に陥ったのか。その背後には、最悪のシナリオを避け、「安全神話」を演出してきた政府と電力会社の姿が浮かび上がってくる。 

 底知れない広がりを見せる福島第1原発からの放射能汚染。敷地内で原子炉から外部に漏れたと思われるプルトニウムが検出される一方、1、2号機のタービン建屋の外に放射性物質が流出していることも明らかになった。核物質を封じ込めるために備えた安全策は機能不全に陥っている。経済産業省原子力安全・保安院の担当者は29日未明の会見で「非常に憂える事態だ」と危機感をあらわにした。 

  <埋もれた4年前のリポート、福島原発モデルに巨大津波を分析> 

 「津波の影響を検討するうえで、施設と地震の想定を超える現象を評価することには大きな意味がある」。こんな書き出しで始まる一通の報告書がある。東京電力の原発専門家チームが、同社の福島原発施設をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年7月、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表した英文のリポートだ。

 この調査の契機になったのは、2004年のスマトラ沖地震。インドネシアとタイを襲った地震津波の被害は、日本の原発関係者の間に大きな警鐘となって広がった。

 とりわけ、大きな懸念があったのは東電の福島第1原発だ。40年前に建設された同施設は太平洋に面した地震地帯に立地しており、その地域は過去400年に4回(1896年、1793年、1677年、1611年)、マグニチュード8あるいはそれ以上と思われる巨大地震にさらされている。   続く...

写真

デフレ続くなら金利上昇しにくい

PIMCOで日本の債券運用を統括する正直知哉氏は、デフレが続く限り日本の金利は上昇しにくいとの見方を示した。
  記事の全文 | 特集ページ 

 3月30日、巨大地震と大津波で被災した福島原発から深刻な放射能汚染が広がっている。「想定外だった」と政府・東電が繰り返す未曽有の大惨事となった。写真は28日、福島県で放射線量の検査を受ける女性(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
写真
未曾有の大震災から1年を迎えますが、あなたの生活に与えた「最も大きな変化」を教えてください。


原発や海岸線から離れた場所へ引っ越した
海外に移住した(または真剣に検討中)
反原発運動に参加するようになった
結婚・再婚・婚約した
自宅で家族と過ごす時間が増えた
近所の人との交流が増えた
義援金や救援物資を被災地へ送るようになった
東日本への旅行・名産品の購入を増やした
東日本への旅行・名産品の購入を減らした
節電を心がけるようになった
通勤手段を自転車や徒歩に変えた
テレビ・新聞よりネットの情報を頼るようになった
無駄遣いやぜいたく品の購入をしなくなった
その他・とくに変わらない
写真
松に願う復興

岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松が、10日発足した復興庁の看板に使われた。あまりにも遅い発足だが、一日も早い復旧・復興への決意が松に込められたと信じたい。  ブログ