焦点:金融規制もG20が主戦場に
[東京 9日 ロイター] 世界の監督当局による金融規制をめぐる国際的な議論が、今年夏から新たな局面を迎える。日米欧などG10体制で議論してきた枠組みがG20レベルに拡大され、新興国の発言権が高まるためだ。
日本にとって重要な論点は、自己資本の「質」の問題。昨年来の金融危機をきっかけに、英米などからは銀行の自己資本比率規制について、普通株を中心にした「コア資本」を充実させる案が出てきており、議論の行方次第では、これまで優先株を軸にしてきた金融庁の公的資金注入の運用に影響を与える可能性もある。
国際的な金融規制をめぐる議論の場となった日米欧など金融当局の集まりだった金融安定化フォーラム(FSF)は、G20金融サミットを機に、新興国を加えたG20体制へ拡大し、金融安定理事会(FSB)に改組することが決まった。銀行の自己資本規制などを話し合うバーゼル銀行監督委員会も、同様にG20体制に拡大する。FSBは6月末に新体制で本会合を開いたほか、バーゼル委も7月に同様の枠組みで金融規制をめぐる国際的な議論を本格化させる。当事国の増加で議論の錯そうが予想され、複数の日本の当局幹部は「夏以降、どんな姿が待っているか想像できない」と不安を隠さない。
<国際舞台で金融庁は、コア資本に優先株を入れるよう主張>
G20レベルでの議論の論点のうち、邦銀にとって注目点の1つは、銀行の自己資本における「コア資本」の定義に優先株が含められるかどうかだ。現行規制であるバーゼル2では、海外に拠点を持つ国際基準行に対し、普通株や剰余金、優先株、優先出資証券などを含む中核的自己資本(Tier1)比率で4%、負債性の高い劣後債なども含めた自己資本比率で8%の確保が必要だ。
ところが、金融危機で銀行の財務体質のぜい弱性が明らかになった英米当局は、Tier1から優先株や優先出資証券などを除いてより資本として純度が高い普通株や剰余金などに限る「コア資本」で4%確保を求める厳しい基準を打ち出した。
国際的な規制はバーゼル委で議論され、年内にも銀行の資本規制に対する考え方の大枠を固め、2010年にも新たな自己資本規制の水準を示す見込み。このうちコア資本の定義をめぐる議論で金融庁は、コア資本に優先株も算入するよう主張する。銀行への公的資金注入で活用してきた従来方針と、整合性を保つ必要があるためだ。
ストレステストを実施した米国では、当局が資本不足の銀行に注入していた優先株の一部を普通株に転換するなどして、コア資本の増強を進めた。ただ、日本の公的資金優先株は、一定期間後に普通株に転換される「転換型」のため、金融庁は「いずれ普通株になるのだから資本性で劣らない」(複数の幹部)と主張している。 続く...












