焦点:日銀は金融環境の警戒崩さず

2009年 07月 10日 12:49 JST
 

 [東京 10日 ロイター] 日銀は14、15日に開催する金融政策決定会合で、コマーシャルペーパー(CP)や社債の買い取りなど企業金融支援策の効果について点検する。

 足元の金融環境は政策効果もあり改善の動きをみせているが、6月全国企業短期経済観測調査(短観)では資金繰りの厳しさがあらためて浮き彫りになるなど、全体としては依然厳しい状態が続いている。こうした状況を踏まえ、日銀は7─8月の会合で9月末に期限を迎える支援策の延長の是非について判断するが、現時点では解除に慎重な意見が多く、延長の方向で検討されることになりそうだ。政策金利である無担保コール翌日物金利は0.1%前後に据え置き、警戒を続ける見通し。

 <金融環境は依然厳しく>

 日銀は金融環境について、CP・社債の発行環境が一段と改善するなど、足元は改善の動きは続いているが、全体としてアベイラビリティ(資金調達のしやすさ)の厳しさは変わっていないと判断している。6月短観では企業の資金繰り判断はわずかに改善したものの、「苦しい」が「楽である」を依然上回ったままで、厳しい状況にあることには変わりはない。上位格付けと下位格付け、大企業と中小企業との間にも、資金調達のしやすさに依然大きな溝がある。

 日銀内には社債スプレッドが改善し、発行額も膨らんでいるが、デフォルト(債務不履行)率が上がるのはむしろこれからとの見方も出ている。金融市場も少し手を緩めると、金利が跳ねやすい神経質な状況にあり、その意味で、市場は日銀の流動性供給に依存して安定を保っているとも言え、市場機能が正常化したという状況にはほど遠いとの認識のようだ。

 日銀はCPや社債の買い取り、民間企業債務の担保の範囲内で政策金利と同じ0.1%で無制限に供給する企業金融支援特別オペなど「異例の措置」の取り扱いについて、遅くても8月開催の金融政策決定会合までに判断する見通しだが、現時点では下方リスクが顕現化する懸念がぬぐえないとして、解除には慎重な見方が多い。7月会合では、米ドル資金供給オペの延長も正式決定する見通しだ。

 <制度見直しも検討課題に>

 今後の焦点になりそうなのが「モンスターオペ」と呼ばれる企業金融支援特別オペの取り扱い。市場では、一時CPレートが短期国債レートを下回るなど副作用が出ていることから、仮に延長するにしても、条件を厳しくする方向で制度を見直す必要があるのではないかといった声も市場で出ている。   続く...

 
 
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