蓄積される円高のエネルギー、ユーロも逃避先にならず

2007年 06月 19日 15:42 JST
 

 [東京 19日 ロイター] 円に対してドルが4年半ぶりの高値圏にあり、ユーロは発足以来の最高値を更新している。日本に拠点を持つ外国銀行が海外店に貸し付けた資金が2月末に過去最高の23兆円に達し、その後も高水準で推移していることから、円借り取引(キャリートレード)加速や、円安圧力を連想する市場関係者は多い。

 だが、円安や海外店への円融資増加のウラでは、巨大な円のショートポジションが蓄積されており、将来同ポジションが取り崩された際には、顕著な円高が不可避になることも見落とせない。その場合、ユーロが逃避通貨の役目を果たすとは限らない。

 <ファンディング・カレンシーの運命>

 個人の外為証拠金取引や外債投資、ヘッジファンドのキャリートレード、外国銀行海外店の円資金借入、非居住者の円建て債発行ーーこれら全ての取引において、円はファンディング・カレンシー(借りて、売られる通貨)となっている。ファンディング・カレンシーには通貨価値の不安定というリスクが付き物だ。 

 「ファンディング・カレンシーとして人気を博すということは、世界中にその通貨のショート・ポジションを持たれるということ。偏ったポジションの通貨は、必ず反対方向の大きなスウィングを起こす」とアジア系ヘッジファンドのファンド・マネージャーは語る。例えば、ユーロは導入以前から人気があり、ドルや円などの通貨を売ってユーロを買うことが市場のトレンドだった。つまり、ドルや円がファンディング・カレンシーとなっていた。

 この人気を背景に、ユーロは1ユーロ=1.1885ドルというユーロ高/ドル安で発足した。だが、人気が剥落するともに、ユーロのロング・ポジションは巻き戻されただけではなく、180度ポジションが逆転。市場はユーロ・ショートとなり、この過程で1ユーロ=0.8225ドルの最安値(2000年10月)まで下落した。ファンディング・カレンシーだったドルから見ると、30%以上もドル高に振れたことになる。  

 対円でも135円台のユーロ高/円安で発足したが、約2年後に87円台に急落。36%の急激な円高を引き起こした。「現在の円ショートの規模は、ユーロ発足時の円ショートと比べものにならないほど巨大で潜在的な円高圧力は大きい」(同ファンド・マネージャー)という。

 ドル安のリスク回避の目的で、ユーロ債に投資する個人投資家もいるが、ドル安が現実化した時に、ユーロ高よりも円高の程度が大きければ、ユーロ投資も為替損を被ることは避けられない。     続く...

 
 
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