政局流動化にらむ市場、円売り加速シナリオ浮上
[東京 20日 ロイター] 外為市場で円安に歯止めがかからない。金利差だけではなく新たに日本の政局不透明が円売り材料として意識されている。7月の参院選で与党の議席が過半数を下回れば円売りが加速する、とのシナリオが指摘されている。
「消えた年金」問題への対応のもたつきで自民党が選挙に大敗し安倍晋三首相退陣の可能性が浮上してくるようだと、日銀の利上げスケジュールにも微妙な影響を与えそうだ。
<7月は円安要因続々、130円台も視野>
UBS銀行FXアドバイザーの牟田誠一朗氏は「7月は一段の円安を進行させる材料が目白押しだ」と述べる。その要因として、1)日銀短観で強い数字が出ずヘッジファンドが円売り、2)福井俊彦日銀総裁の利上げ慎重姿勢、3)参院選での与党過半数割れ、などを挙げている。
7月11ー12日の金融政策決定会合では金利据え置きの公算が大きく、円売りのシナリオに変更はない。同27日公表の6月全国消費者物価指数(CPI)もマイナスが見込まれており「円買いの材料は消滅している」(大手証券)との声もある。とりわけ、参院選で与党が過半数割れとなった場合には、政局流動化の可能性があり、円安が加速しそうだ。牟田氏は、7月のドル/円レートを125円―130円のレンジと予想している。
参院選に関して、社会保障重視を党是とする公明党のある幹部は「過半数割れは避けられない」との見方を示す。与党内からも、苦戦が伝えられる自民党幹部が落選なら過半数割れは間違いない、との声が出ている。公明党は参院選投開票日の後ずれにも反対しており、自民、公明連立政権にもほころびが目立ってきた。一部では政界再編の予測もあるが、民主党へのフォローの風も弱く、与党への反対票の受け皿になりきれていない。
民主党は参院選向けのマニフェストで、引き続き金利の健全化を盛り込む方針。今回のマニフェストでは、これまでの路線を修正し、構造改革を進めることによる消費税率据え置きを明記する方向だ。ただ、市場参加者からは「自民党との違いがみられない」「実際に政権政党になってみないとわからない」などと批判される。これに対し民主党関係者は「マーケット参加者にもマニフェストをよく読んでほしい」と不満を漏らしている。
ある外資系証券関係者は参院選で与党が過半数割れとなった場合、株価は1万7500円ぐらいに下落し、債券や円も売られるトリプル安になるとの見立てだ。市場はまだ、参院選の過半数割れの可能性を織り込むところまでいっていない。一方、与党内では「安倍政権の次の政権に、小泉改革路線の継続性がみられなければ財政規律が乱れ、逆に金利が上昇して(金利面から)円も買われる」(幹部)との見方がある。 続く...












