新興国などの政府系投資ファンド、注視する必要=IMF高官
[フランクフルト 26日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)の首席エコノミスト、サイモン・ジョンソン氏は、新興国や資源国が石油輸出などで稼いだ外貨を運用する政府系ファンドについて、その動向を注視する必要がある、との見方を示した。
ソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)とよばれる政府系投資ファンドの運用資産は、2兆5000億ドルと推定されており、ヘッジファンドの運用資産を上回る。モルガン・スタンレーはSWFの資産規模が2015年までに、米経済とほぼ同規模の12兆ドルに拡大する可能性がある、との見方を示している。
クウェート、アラスカ、アラブ首長国連邦は、石油輸出の収益減に備え数年前、政府系投資ファンドを設立。IMFはそうしたファンド設立を支持した。
世界的な貿易の伸びや原油・資源輸出による収益の運用拡大を背景に、こうしたファンドの数や資産は膨れ上がった。ロシアやノルウェーは年金目的のファンドを設立している。中国も外貨準備運用の高リターンを目指し、専門機関の設立に着手した。こうした政府系ファンドの大半は、ポートフォリオの資産配分や投資戦略についての情報をあまり開示していない。
ジョンソン氏は「中身の見えない箱を通過する資金の流れが増している。ヘッジファンドやソブリン・ウエルス・ファンドはそうした箱に相当する。何が起こるか確認できず、懸念事項だ」と語った。
同氏は、過去におけるソブリン債のデフォルトや、一部トレーダーの不正取引で証券会社が破たんした例、為替相場での投機的な動きなどが世界経済の混乱を引き起こしたということを踏まえ、政策担当者はこうした政府系ファンドの動向を注視する必要がある、との見解を示した。
IMFは、こうしたファンドが金融システムにもたらす可能性のあるリスクの評価に向け、情報収集を開始したという。
同氏は、ファンドが活用している可能性のあるレバレッジの規模は主要懸念で、特にその国のソブリン格付けを利用して高リスク投資の資金を調達した場合にレバレッジの規模が問題となり、極端な場合、ファンド破たん時に、ソブリン債のデフォルトにつながる可能性があるとの見方を示した。 続く...












