中国の鋼材輸出、鉄鋼業界は日本への流入増など懸念

2007年 08月 22日 20:15 JST
 

 [東京 22日 ロイター] 中国から世界に向けた鋼材輸出が高止まりし、鉄鋼業界の好調な事業環境を脅かす要因として注目を集め始めた。2007年の中国の輸出量は過去最高だった2006年の4301万トンを大きく上回り、7000万トンを超える見通し。

 今のところ、日本向け輸出は微増で推移しているものの、中国からの輸入が急増している欧米との間で通商摩擦が火を噴けば、日本を含むアジア地域に対し中国が安価な輸出攻勢を振り向ける可能性もあり、今後、需給が崩れて市況混乱につながる懸念が国内鉄鋼業界で出ている。

 <7月の輸出も高水準、抑制策は効果みせず>

 中国の鋼材輸出は、今年4月に716万トンと月間ベースでの過去最高水準を付けた後、5月が617万トン、6月が636万トン、7月が594万トンとなった。7月は前月比でやや水準が下がったものの、前年同月比では65%増と「依然としてレベルは高い」(鉄鋼連盟国際経済本部)。

 この間、中国政府も輸出抑制の手立てを矢継ぎ早に打っている。4月に厚板など一部鋼材について実質減税措置だった輸出増値税還付を撤廃したのに続き、5月に輸出許可制度を導入。6月に5―10%の輸出関税付加、7月にパイプなどでも輸出増値税還付を撤廃した。鉄鋼業界関係者によると、一連の措置で中国の鉄鋼輸出のコスト増は15―20%程度に上る。7月から輸出抑制効果が出ることが期待されていたものの「効果はほとんど出ていない」と業界関係者は話す。

 「このまま続くと、中国の世界向け輸出量は年間7000万トンを超える」と馬田一鉄連会長は指摘。2007年度には過去最高を更新する勢いで増加している日本の粗鋼生産量が1億2000万トン程度であり、その規模の大きさがうかがえる。

 コストアップにもかかわらず輸出の勢いが止まらないのは、中国の粗鋼生産が落ちていないからというのが、業界関係者の一致した見方だ。粗鋼生産は、06年の4億2000万トンから07年は5億トンが視野に入る勢いで増加しており、「旧設備が廃棄されても、新しい設備が立ち上がっている。生産抑制に対しては、有効な手立てが打たれているとは言えない状況だ」(経済産業省関係者)という。

 <欧米との通商摩擦が現実味>  続く...

 
 
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