安倍改造内閣、「小泉人事」の再起用が目立つ

2007年 08月 27日 19:10 JST
 

 [東京 27日 ロイター] 27日の自民党執行部人事と内閣改造は、小泉純一郎前政権時代の閣僚、党役員の再起用が目立っており、安倍晋三首相の独自性は薄れた陣容との声が、早くも自民党内で浮上している。

 このうち与謝野馨新官房長官と額賀福志郎新財務相は、ともに自民党政調会長を歴任しており、金利正常化を目指す日銀ともパイプが太く、金利正常化を目指す日銀にとっては追い風の人事ではないかとの声も永田町周辺からは漏れている。レームダック化した安倍首相にとって、重量級の閣僚をどのようにコントロールしながら政権を運営していくのかに命運がかかっていると言えそうだ。

 与謝野官房長官や額賀財務相のほか、町村信孝新外相、麻生太郎幹事長、石原伸晃政調会長――と、小泉前政権で党政調会長や閣僚を経験した人材が、安倍改造内閣の重要ポストに起用された。改革前の内閣では佐田玄一郎行革担当相や自殺した松岡勝利農相ら自ら任命した閣僚が相次いで交代したことを考えると「(小泉内閣で実施した)身辺調査の内容などに十分注意した結果ではないか」(与党幹部)との声も聞かれる。

 ほかにも、自民党幹事長代理の細田博之氏は小泉政権で官房長官や国対委員長を、自民党参院議員会長の尾辻秀久氏は同厚生労働相、参院幹事長の山崎正昭氏は同官房副長官を務めている。

 この与党幹部は「参院選惨敗を受けて、改革一辺倒でなく民意を幅広く受け止めるため重量感ある顔ぶれにした」と安倍首相の方針を代弁する。しかし、「小泉政権では構造改革路線に沿って役割を果たした重量級の人材だったかもしれないが、軽量の安倍首相の下で十分な仕事をするのかという不安がある」(邦銀)と指摘される。

 クレディスイス証券・経済調査部エコノミストの小笠原悟氏は「財政再建の視点よりも、日銀が金利の正常化を進められるかどうかの方が大事なポイントだ」としたうえで「与謝野官房長官には、党内の低金利政策維持を主張する勢力を抑える調整の役割が期待される」と述べている。

 みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏も「量的緩和解除やゼロ金利解除の道筋をつくった与謝野氏の官房長官就任は、日銀にとって追い風との発想になろう」と指摘する。その一方で「額賀氏の日銀に対する姿勢には不透明感も漂う」としている。

 額賀財務相は2004年3月、自民党政調会長としてロイターのインタビューに応じた際、日銀の金融政策について慎重な姿勢を示した。自民党はその当時、2006年度に名目GDP成長率2%を目標としており、これを達成するまで量的緩和の方向を求めるのかとの質問に対し、額賀氏は「日本経済は米国や中国向け輸出に引っ張られる形で次第に明るさが出てきた」との認識を示したうえで「企業が投資しやすいように金融緩和基調にしておくことが不可欠だ」と答えた。さらに「デフレが修正され、物価が上がり、それに伴い金利がどう動くかという流れの中で、金融政策や経済政策が考えられるべきだ」と述べている。  続く...

 
 
Photo

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ