再送:金商法ショックで投信販売に陰り、貯蓄から投資の流れ減速も
[東京 23日 ロイター] 金融商品取引法の完全施行を受けて金融機関がリスク説明などを強化した影響で、投資信託への資金流入が細っている。特に、ここ数年の投信市場の拡大をけん引した銀行が、顧客の投資経験や投資目的などの聞き取りやリスク説明などを厳格化し、接客時間が5割増しになっていることで販売ペースが低下している。
投信の品揃えを縮小したり、新規ファンドの採用を見送ったりする動きも多く、今月は投信の新規設定本数も落ち込んでいる。金商法は投資家保護を徹底し、貯蓄から投資への流れを促す環境作りを目指したものだが「法令順守のためには、投資習熟度の高い人に対しても来店の度にリスクの説明を繰り返す必要があり、貯蓄から投資への流れを阻害しかねない」(大手地銀)との批判も出ている。
<品揃えは縮小、新規採用は見送り>
金商法は投信など元本割れリスクのある金融商品の販売する際に、金融機関が顧客の投資知識、経験、資産状況、投資目的を確認した上で販売することを義務づけているほか、販売時の書面交付義務や広告でリスクや手数料を表示する義務などを課している。
野村総合研究所(NRI)が集計している国内外の株、債券、ハイブリッド型投信の資金動向をみると、今月は19日までの3週間(14営業日)で合計1309億円の資金が流入した。外貨建て分散型ファンドや新興国ファンドの人気を支えに、同時点の流入額が4800億─7700億円の規模に達していた4─8月に比べると流入ピッチが急低下している。「月末施行の金商法対応に追われ、投信の販売が手薄になった」(大手証券)とされる9月の第3週(14営業日)までの流入額と比べても36%減少している。
地銀の中で投信残高トップの千葉銀行(8331.T: 株価, ニュース, レポート)では、金商法対応で顧客1人当たりに費やす投信の説明時間が従来の40─60分から60─75分に増えたため「10月の投信販売は落ち込んでいる」(広報担当者)。投信関連手数料が07年3月期に前期比38%増えるなど同行の投信ビジネスは右肩上がりに成長してきたが、10月以降は足踏みせざるを得ないとみて「下期の手数料収入は上期と同水準で計画している」(同担当者)という。
証券子会社が投信販売の主体となっている静岡銀行(8355.T: 株価, ニュース, レポート)も、金商法施行後は一人当たりの接客時間が1.5倍以上に伸びており、今月の投信販売額は前月比3─4割落ち込んでいる。「市場環境の変化もあるが、金商法対応で販売を慎重に行っている影響が大きく、予想以上の減少」(個人部預かり資産統括グループ長の四ツ田啓司氏)という。販売員の負担を軽減するため、投信の商品数を半分に絞ったほか新規ファンドの採用は抑えているが、早期に説明時間を短縮するのは難しいとみている。
金商法施行に伴い、リスク商品の販売マニュアルを作成するなど営業体制を見直した金融機関が多いなかで、株式などリスク商品の販売経験が長い証券会社は「投資家の適合性原則などを以前から厳しくチェックしてきたので大きな変更はなく、今月の投信販売は先月とほぼ変わらない状況」(日興コーディアル証券)という。大和証券投資信託委託の樋口三千人社長も先週、ロイターとのインタビューで「証券会社は影響を感じていないが銀行の販売が影響を受けているようだ」と指摘している。 続く...















