JTと日清食、加ト吉に冷凍食品事業を統合
[東京 22日 ロイター] 日本たばこ産業(JT)(2914.T: 株価, ニュース, レポート)と日清食品(2897.T: 株価, ニュース, レポート)、加ト吉2873.Tの3社は22日、JTと日清食品の冷凍食品事業を加ト吉に移管すると発表した。加ト吉は日本最大級となる売上高2600億円規模の冷凍食品事業を有する企業になる。
JTは中期計画の中で、海外たばこ事業と食品事業を中心にM&A(企業の合併・買収)を実施する考えを示している。国内たばこ市場の拡大が見込めない中、食品事業を第2の柱と位置付け、強化する。一方、日清食品は、即席めん以外の事業の拡大を模索しており、両社のニーズが一致した。
JTは2000年に加ト吉の株式5%を保有。不正会計で加ト吉の業績が低迷するなか、社長もJT出身者に代わるなど関係を深め、業界では、JTによる救済の可能性が取り沙汰されてきた。この2社の関係に日清食品が加わったことについて、JTの木村宏社長は「冷凍事業強化について、いろいろなオプションを検討した。日清食品が入ることで、格段に強い企業体が作れる」と説明した。
また、3社の冷凍食品事業統合を「日本における食品事業再編のコアにしたい」と述べ、3社以外の企業の参加について「きちっとシナジーを生み出す組み合わせなら、将来、積極的に検討していきたい。国内企業に限らず、海外企業も含めて、アライアンス、資本・業務提携といろいろな形を模索していきたい」との考えを示した。
新生加ト吉の利益目標などは、TOB成立後に経営統合委員会を発足させて詰める。
<JTと日清食品、即座に資本提携は考えず>
JTが日清食品株式を取得するなど、資本提携に発展する可能性について、日清食品の安藤宏基社長は「株式の保有については、話はいろいろしている。即座にはないが、将来考えていくのが良い」と述べ、可能性に含みを残した。
また、冷凍食品以外の分野での提携の可能性については、JTの木村社長は「オープンマインドで、将来、議論、検討していく余地はある。ただ、今は冷凍食品事業の統合を成し遂げることが一番大事であり、具体的な話し合いの中身があるわけではない」と語った。
米スティールパートナーズは日清食品株を18.99%保有しているが、安藤社長は「スティール社からどうしろと言われていない。今回のことをどう考えているかは分からない」と述べた。
<JTがTOBで加ト吉株を取得へ、1株710円>
冷凍食品事業統合に際し、JTは、加ト吉の完全子会社化を目指し1株710円で株式公開買い付け(TOB)を行う。株取得後、日清食品に49%譲渡する。TOB後、加ト吉株は早ければ08年3月までに上場廃止となる可能性があるとしている。買付代金は1091億9000万円。TOB期間は11月28日から12月26日まで。TOBの結果、総議決権の3分の2を有することのできる9977万7000株に応募株券が満たない場合は、応募株券全部の買い付けを行わない。
またTOBで全株を取得出来なかった場合は、1)加ト吉の普通株式とは別の種類の株式を発行できるよう定款変更を行う、2)加ト吉が発行する全ての普通株式に全部取得条項を付す定款変更を行う、3)加ト吉の全株取得と引き換えに別個の種類の加ト吉株を発行する。この際、加ト吉株を保有する株主には別個の種類株式が交付される。交付される株が1株に満たない場合は保有株相当の金銭が支払われるが、別個の種類の株式は交付される株式が1株に満たないように発行数を決定する予定だという。
JTは、必要な資金を借入れで賄う。日清食品は、一部短期の借入れを行う予定。
(ロイター日本語ニュース 伊賀大記記者 清水律子記者)
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