原油高で業種間に収益格差、厳しい金属製品・陸運・流通

2007年 11月 27日 15:39 JST
 

 [東京 27日 ロイター] 原油価格上昇で業種間の収益格差が広がりそうだ。ドル安/円高である程度は原油高に伴うマイナス分が相殺される一方、価格転嫁で乗り切ろうとする企業も少なくないが、値上げが難しい業種については、1バレル=100ドル乗せを目前にしている原油価格が止まらない場合、一段と深刻度が増すことになる。

 市場では金属製品、陸運、流通などが、とりわけ原油高で厳しい状況に陥るとの見方が出ていた。

 26日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)による増産観測から反落、米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前週末終値比0.48ドル安の1バレル=97.70ドルで取引を終えた。

 市場関係者によると「今まで増産に反対していたイランも前向きになってきたなど、OPECが12月5日の総会で生産量の引き上げを決めるとの見方が広がっており、利益確定売りに押された」(商品先物関係者)という。

 このまま調整入りする可能性も指摘されているものの、原油価格が下落トレンドに転じるといった雰囲気はない。現在の原油高については「他のコモディティと同様、ドル安に対するヘッジという視点で資金を呼び込んでいる。そのため、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題が解決する方向が見えない限り、原油は高止まりする可能性もある」(かざかコモディティ・主席アナリストの鈴木孝二氏)との声も出ており、依然として先高感が消えていない状況だ。「WTI先物が瞬間的にでも100ドルを乗せるまでは止まらない可能性もある」(商社関係者)とみる関係者もいる。

 ただ、このまま原油高が続いたとしても、企業業績に対する影響は避けられないながら、全体としては決定的なダメージにはならないとの見方が多い。実際、ここにくるまでの東京株式市場は、下げた理由としてドル安/円高、米国株安などが挙げられることがほとんどで、原油高が株価を引き起こしたとみる関係者はほとんどみられない状況だ。

 丸三証券・専務の水野善四郎氏は「ひと頃に比べて企業の原油高に対する抵抗力が強くなっている一方、ドルが下がれば、その分だけマイナス分は相殺される」と指摘する。

 他方、原油価格上昇は、業種別の影響をみた場合、収益格差をもたらす要因になる。原油高によってオイルマネーが潤沢になり、それが株式市場の需給改善要因として挙げられているが、産業界にとってもメリットが生じる。ある生保系投信の運用担当者は「原油高で資源国の輸入が活発化し、これらに向けて輸出している企業はプラスに働く面もある」と話す。さらに、価格転嫁や在庫影響などによって収益が維持できるケースも少なくない。半面、価格転嫁が難しい内需型の業種では、コスト増に悩み続けることになる。  続く...

 
 
写真

リスクマネーの動きが活発化しており、コモディティ市場においては需給面よりも金融商品市場としての色濃さが増している。  ブログ