改正建築基準法・金商法による規制強化不況、内需低迷の要因にも

2007年 12月 3日 16:49 JST
 

 水野 文也記者

 [東京 3日 ロイター] 改正建築基準法、金融商品取引法などで実質的に規制が強化されたことによる規制強化不況が懸念されている。住宅業界の中には業績予想の下方修正を余儀なくされる企業も出始めており、これらが内需を低迷させる要因となって企業業績の悪化につながるとの見方が出ていた。

 6月に施行された改正建築基準法の施行で、建築基準や罰則が強化されるとともに審査期間が長期化、着工許可を得るために時間を要するになったことを背景に、住宅着工の落ち込みが続いている。国土交通省が11月30日に発表した10月の新設住宅着工戸数は、前年比35.0%減少の7万6920戸となり、4カ月連続で減少した。

 ただ、住宅着工に1カ月程度先行するといわれる建築確認(交付件数)は前年比11.1%減で9月の27.5%減よりも下落幅が縮小したため、同省では改正建築基準法施行に伴う現場の混乱はほぼ収束し、先行き回復の方向にあるとの見方を示した。

 それでも、現実的に影響が出ている。30日に第3四半期決算を発表した積水ハウス928.T>は、2008年1月期の連結決算について営業利益を1180億円から1120億円(前期実績は1115億7000万円)に下方修正したが、会社側によると「戸建て住宅市場の低迷により受注が前年を下回ったほか、確認申請手続きの停滞による間接的な影響を踏まえて予想を修正した」という。

 国土交通省の建築確認担当者は「現場の声を聞くと(住宅着工は)底を打ったとみている」としているなど、改正建築基準法の影響は一時的なものとみる向きが多い。しかし、ゼネコン関係者の間からは「制度改正で確認申請した後に設計変更することが、ほとんどできなくなった。今後は受注の段階でしっかりコストなどを固める必要がある」(大林組の野間暎史副社長)との声が出ている。

 建設業界では、受注した工事が完成までに資材費や人件費の増加などによるコストアップが想定される場合、これまでは工法変更などで採算維持の努力をしていたが、これが改正建築基準法で難しくなるなど中長期的な影響が懸念されている。

 他方、金融市場では、9月30日に施行された金融商品取引法が、金融機関の収益、株式マーケットのいずれにもマイナス要因として作用しているとみる関係者が多い。同法は、投資家保護を念頭に置いて金融商品の取り扱いなどのルールを定めた法律。市場関係者によると「株式や投信の営業などで、この法律による影響は無いとは言えない」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。  続く...

 
 
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