みずほのメリルへの出資は純投資的色彩、邦銀の国際地位復活に遠い道のり
[東京 15日 ロイター] みずほコーポレート銀行による米投資銀行大手メリルリンチMER.Nへの出資は、存在感を失う一方だった邦銀の国際的地位を復活させるきっかけになるのか―。
1990年代以降、不良債権問題で苦しんだ邦銀は過去に買収した欧米金融機関を軒並み売却したが、今回の出資は不良債権問題終結後、邦銀が欧米の金融機関に資本参加する初のケースとなる。しかし、出資額が12億ドル(約1300億円)と小さいことや、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)自体もサブプライム問題で苦しんでおり、一足飛びに「世界に羽ばたく邦銀」という図式にはなりそうもない。
<みずほとメリルの両者にメリット>
UBS証券の銀行担当アナリストの田村晋一氏は「みずほにとっても、メリルにとってもよい話」と評価。公的資金返済後、自己資本の使い方に不満を抱いていたみずほFGの投資家にとっては、資本政策の変化を期待させるポジティブ・サプライズになるとの見解を示した。ただ、今回の出資が国際業務の強化に結びつくかどうかについては「投資家もそこまでは期待していない」と突き放す。一方、メリルにとっては「とやかく文句を付けない投資家が欲しいはずで、その意味では邦銀はうってつけ」と語る。
邦銀はバブル真っ盛りの1980年代にこぞって欧米金融機関を買収。みずほの前身、旧富士銀行は84年に米金融会社ヘラー・ファイナンシャルを、89年には旧第一勧銀が同CITグループを、旧日本興行銀も米シュローダー銀や金融会社A・Gランストンの経営権を取得した。しかし、90年代に入って、不良債権処理原資をかき集めなくてはならなくなった邦銀は一転して売却に出た経緯がある。
<メリルへの出資は、純投資の色彩>
今回の資本参加は80年代の買収ブームが経営権取得を目指したのとは性格が異なり、「純投資に近い色彩」と大手銀行幹部は分析する。みずほCBが今回引き受けるのは、総額66億ドル(約7100億円)のメリルの増資のうちの20%弱でしかない。そのほかには、クウェート投資庁や韓国投資公社などが並んでおり「増資の主導権を取ったのは、みずほでないことは間違いない」と米系投資銀行幹部は指摘する。引き受けた優先株に普通株への転換権はあるが、転換しても出資比率は数%程度。「80年代の経営権の取得とは程遠い状況だ」と大手銀行幹部は指摘する。
<邦銀の台所事情も安泰とは言えず> 続く...












