G7は世界経済がより厳しいと認識、米は市場混乱長期化の可能性に言及

2008年 02月 9日 20:34 JST
 
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 [東京 9日 ロイター] 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は9日、世界経済がよりチャレンジングで不確実な環境に直面しているとし、経済の安定や成長確保のため、引き続き状況を監視し、個別あるいは協調して適切な行動を取ることを明記したG7声明を発表した。

 議長の額賀福志郎財務相は、市場の不透明感を解消し、世界経済が復活することを確信すると会見で述べたが、イタリアのパドアスキオッパ財務相は、G7の経済に関する見解は前回会合よりかなり悲観的になったと指摘。

 ドラーギ・イタリア中銀総裁は、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長がG7会合の中で、米住宅価格の下落の期間、危機の深刻さは分からないと発言したことを明らかにした。ポールソン米財務長官も世界的な金融市場の混乱は、深刻で長引く公算が大きいと述べ、世界経済の先行きが厳しいとの認識がG7内で強かったことを示した。

 <イタリア財務相が前回G7より経済悲観的と表明>

 イタリアのパドアスキオッパ財務相は、会議終了後に記者団に対し、G7の経済に関する見解は、前回会合よりもかなり悲観的だと言明。成長の下方修正の局面はまだ終了していないとの厳しい認識を示した。

 また、ポールソン米財務長官は会見で、世界的な金融市場の混乱は、深刻で長引く公算が大きいと指摘。米経済は下方リスクに直面しており、景気刺激策が必要だとの見解を示した。米経済の現状に関連し、住宅市場の調整やエネルギー価格の高騰、市場の混乱が成長の重しになっているとし、金融市場の大きな変動はリスクの再評価が行われる間は継続すると指摘した。

 額賀財務相は、会議終了後の会見で、G7の間で認識を共有し、一致した見解を示したことは安定に向けたメッセージになると述べるとともに、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に関連し、各国がきちんと対応し、必要があれば協調することを確認したと述べた。

 <声明では個別あるいは協調して適切に対応と明記>

 G7声明は、G7諸国の成長が短期的にいく分減速するが、新興国は底堅い成長を続けるとの見通しを示した。世界経済について「ファンダメンタルズは依然強いが、環境は前回会合よりチャレンジングで不確実性が増した」と指摘。サブプライム問題が発生し、世界の市場混乱の起点となった米国については「生産・雇用の伸びが著しく鈍化し、リスクはさらに下方に振れた」との厳しい認識を示した。

 その上で世界経済全体について「世界的な経済・金融の動向を反映し、程度の差こそあれ短期的にはある程度、成長が減速する」との見通しを明らかにし、G7は「経済の安定や成長を確保するため、引き続き注意深く状況を監視し、個別あるいは協調して適切な行動を取る」とした。

 <為替はファンダメンタルズを反映するべき>

 為替に関しては「為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する」と明記。

 中国人民元に関しては「実効為替レートのより早いペースでの増価を促すことが必要」とした。

 <金融機関の損失、即時かつ徹底的な開示促進を求める>

 サブプライム問題との関連では、金融機関による損失および金融仕組み商品の価格評価の即時かつ徹底的な開示の促進、銀行および他の金融機関のオフバランス機関へのエクスポージャーに対する理解と開示の改善、格付会社における潜在的な利益相反への対応と金融仕組み商品のリスクに対する投資家の理解促進に向けた格付関連情報の改善などが重要であると明記した。

 <マクロ政策は各国独自に対応、日本の会見で明らかに>

 日本国内との関連では、額賀財務相が「金融不安・経済対策は、それぞれの事情にあった対策を打ち出すことが重要」と会見で述べ、日本が世界経済の不透明感を払しょくするために自発的に財政政策を打ち出したり、金融緩和政策を発動する状況にはないことをにじませた。

 福井俊彦日銀総裁も「マクロ経済運営は、各国が問題を共有しながらそれぞれ適切に対応する」と述べ、直ちに協調して利下げに臨む考えはないことを示した。

 ポールソン米財務長官も会見で「他の国に財政出動計画の策定は要請していない」と発言。ただ、ポールソン長官は「日本はじめ各国には、輸出より需要拡大に力点を置くことを希望する」とも述べ、各国が内需拡大に努力するようクギを刺すことも忘れなかった。

 <米財務長官は景気後退せずと言明>

 そのポールソン長官は、米経済について「住宅市場の落ち込みが最大のリスク」と述べ、サブプライム問題が火元であることを認めた。ただ、景気後退には陥らないと信じているとも明言。1600億ドルに上る財政出動の政策パッケージやFRBの大幅な利下げの効果がいずれ出てくることに期待感を示した。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦)

 
 
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