世界的な市場混乱に直面し形骸化が鮮明になったG7、メンバー国チェンジの声も

2008年 02月 9日 21:47 JST
 

 森 佳子記者 

 [東京 9日 ロイター] 9日に開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、不確実性が高まる世界経済や金融市場の安定化についての討議を終え閉幕した。だが、サブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した世界的なマーケットの混乱と景気後退リスクに直面しても、有効な具体策は示されず、会議後に各国が個別に開いた会見では、不協和音も目立った。

 「形骸(けいがい)化」・「サロン化」が進んでいると言われて久しいG7会議は、世界のパワーバランスをより正確に反映させるためにメンバー国の交代が必要だとの声もある。ドルを基軸にすえた現在の国際金融システムが揺らぐ中で、新システムの構築はできるのだろうか。  

 <米国に距離を置く欧州>  

 G7の形骸化が進んだ背景には、メンバー間の相互不信がありそうだ。

 ポールソン米財務長官はG7後の会見で「世界市場の混乱は深刻で長引く公算で、緊張を和らげるために各国は、緊密に協力する必要がある」 と強調した。米国はG7会議では他のメンバーに財政出動を求めなかったものの、既に大幅な金融緩和と大型の景気対策を決断した米国は、欧州諸国とその他の国々が米国の需要落ち込みを埋め合わせるために必要な措置を講じるべきだとG7前から主張してきた。

 これに対して、欧州は一定の距離を保った。欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるドラーギ・イタリア中銀総裁は会見で「欧州では信用収縮は起きておらず、米国とは同じ状況にない」と述べ、シュタインブリュック独財務相は「ドイツで景気刺激策や成長見通しの改定が必要だとは思わない」と指摘。「欧州が金融市場の混乱に巻き込まれずに済むとは思っていないが、ファンダメンタルズはしっかりしている」とユンケル・ユーログループ議長は言う。 

 欧州が米国に距離を置く姿勢は、今回始まったことではない。「ここ10年ほど、G7を自分の都合に合わせて使おうという米国の意図があからさまで、欧州諸国はG7会議に距離を置くようになった。今となっては、ほとんどの国が、真剣に議論して具体的な結論を出すフォーラムだとは思っていないだろう」(国際金融筋)という。  続く...

 
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