景気回復基調を確認、先行きは「下振れリスク高まっている」=大田担当相
[東京 14日 ロイター] 大田弘子経済財政担当相は14日、10─12月期国内総生産(GDP)発表後に記者会見し、実質GDPが年率換算3.7%と高い成長となったことについて「景気回復基調が続いていることが確認された」と評価した。しかし、先行きについては「下振れリスクが高まっている」と警戒姿勢を崩さず、今後の米経済動向、原油価格動向、住宅投資に十分に注視していくと語った。
けさ発表された10─12月期国民所得統計1次速報では、実質GDPが年率換算で3.7%と、前期を上回る高い成長となった。自動車のモデルチェンジなどで設備投資が好調だったことが全体を押し上げた。大田担当相は「回復基調が確認された」としたが、会見では先行きの不確実性の高まりを警戒する慎重な発言に終始した。
このうち、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した米経済減速の影響については「日本経済は一時的に減速する可能性は十分ある」と述べ、先行きの不透明感に踏み込んだ。ただ、「一時的なショックに対する抵抗力は強まっている」とし、「大きく崩れるリスクは小さい」と指摘。「新興国経済もなんらか影響受ける」としてデカップリングが成立しているとは考えにくいとも語り、米経済減速の影響の波及度合いを「身構えながら見ていきたい」と述べた。
10─12月期にマイナス幅が拡大した住宅投資の行方については「徐々に回復するとはみている」としながらも、「どこまで回復するか予断を許さない。依然としてリスク要因だ」と語った。
原油価格動向に関しては「サブプライムローン問題の収束あるいは米国経済の減速によって下がっていくとみているが、先はまだなんとも言えない」と見通し、経済に与える影響では「原油価格上昇で中小企業の収益が圧迫されている。足元でガソリンや食料品の値上がりが消費者のマインドを悪化させている」と指摘。
原油価格の高騰や住宅投資の落ち込みで、中小企業の収益が圧迫され、企業マインドも低下していることには十分注意が必要、と繰り返した。
デフレ脱却の見通しについては「足踏みが続いている」とのこれまでの認識を繰り返した。GDPデフレーターは前年比マイナス1.3%とマイナス幅が拡大したが、内需デフレーターは同プラス0.1%とプラスに転換。「デフレ脱却に向けた歩みが続いている」と評価した。一方で、単位当たり労働コスト(ユニット・レーバー・コスト)は前年比マイナス1.8%とマイナス幅を拡大させるなど、賃金の伸び悩みも続いており、全体の評価は据え置いた。
こうした認識を踏まえ、1─3月期に前期比マイナス1.6%程度でも達成が可能となる2007年度政府経済見通しについても大田担当相は「下振れリスクが高まっているので、1─3月期については予見できない。これまでは政府経済見通しに沿った姿」と述べるにとどめ、実現可能性への言及は控えた。
(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子編集委員)
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