米イールドカーブ・スティープ化を警戒、ドル債ニーズに不透明感の声

2008年 02月 15日 19:00 JST
 
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 [東京 15日 ロイター] 15日の東京市場は株安/債券高。米株の反落や前日の急上昇の反動で日経平均は一時200円超の下げとなった。需給面でもヘッジファンドの解約売りが警戒されている。一方、円債市場は株安の割には上値が重い。

 米国でインフレ懸念や供給過剰観測から、期間の長い金利がここにきてじわり上昇しており、円

金利への影響を見極めたいとの声が出ている。為替市場でも米長期金利上昇の要因のひとつとしてドル債の購入意欲の減退が指摘され始めており、今後、米長期金利の動向が一段と注目されそうだ。

 <米イールドカーブのスティープ化が話題>

 円債市場は反発。現物の中短期ゾーンに国内投資家の買いが入り、需給引き締まり感があらためて意識された。ただ、一部海外勢による売り仕掛けに対する警戒感もあり、相場の方向性は定まっていない。

 市場参加者の間では、米イールドカーブのスティープ化が話題になっている。インフレリスクや需給面で長期金利が上がりやすくなっているからだ。

 一段の金融緩和の可能性を指摘したバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、14日の米金融市場では2年債の利回りが1.90%に低下した一方で、30年債利回りは4.69%に上昇、2007年12月以来の水準をつけた。

 東京市場では、1)米長期金利上昇が長続きするかどうか微妙であること、2)年度末にかけた長期/超長期ゾーンの引き締まり感――などが意識され、スティープ化圧力はさほど強まっていない。

 みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、「米長期/超長期債利回りの上昇は景気に対して明らかにネガティブで、クレジットクランチで低迷する米住宅市場の回復が遠退く可能性が出てくる。消費への波及も避けられない」として、今後は、米長期金利は下がる方向になるとみている。

 ただ、「国内でも海外勢主導でスティープ化のポジションが構築される可能性は捨てきれず、一定のスティープ化圧力を視野に入れておく必要はある」(邦銀)との声も聞かれた。

 <ドル債ニーズに神経質>

 為替市場でも米金利動向が気にされた。

 UBS証券は、米政府や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)など政府系住宅金融機関(GSE)による最上級格の債券の発行が2009年にかけ急増する、との見通しを示した。UBSのストラテジスト、ウィリアム・オダネル氏は、景気低迷と政府の景気対策に伴う財政出動により、財政赤字は恐らく145%増加し、08年から09年にかけ4000億ドルに膨れ上がると指摘した。

 ある外為専門会社の関係者は「米債の発行増は、米金利高を招き、金融緩和の効果を相殺しかねず、ドルにはネガティブだ」と話す。

 この日は、「市場にはドルの売り疲れムード」(外銀)があり、ドルにとってネガティブなニュースには反応が薄かった。

 ただ、7日に行われた米30年債入札が低調で金利が跳ね上がり、「ドル債は持ちたくない」という思惑が出ていただけに、市場参加者は神経質になっている。

 「次回5月の定例入札から、米景気刺激策による財政支出分が上乗せされ発行量が増額されるとみられ、今後、供給過剰は大きなテーマになる」(ある外資系証券幹部)との声が早くも出ている。

 <ヘッジファンドの株売りを警戒>

 一方、株式市場では日経平均が反落。米国株安に加え、前日500円を超す大幅高を記録したことから戻り売りが上値を抑えた。15日は3月期末に解約するヘッジファンドの45日前告知ルール応答日に当たるため、海外勢の売りに対する警戒感も強い。

 実際、市場筋によると、朝方から主力株を中心に幅広い銘柄に外国人の売りが出たとみられている。「予想を上回った10─12月期GDPを評価する買いが入ると期待したが、海外勢の反応は鈍く、むしろ売りが先行している。いずれ新年度運用資金が日本株にも流入するはずだが、時期は読みにくい。現状は中東系資金や政府系ファンドの一部が打診買いを入れている程度」(ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男専務)との声が出ている。

 三菱UFJ投信、戦略運用部副部長の宮崎高志氏は「14日に大きく値を戻した後であり、米FGICの格下げやスイスのUBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)の決算でサブプライム問題の大きさが再確認されたこともあって、きょうは利食い売りが先行している。基本的にはレンジの中の動き」と話す。

 <米投資家は待ちの姿勢>

 15日朝、財務省が発表した2月3日─2月9日の対外対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、対内株式投資は391億円の資本流出超となった。外国人の売り越しは6週連続で、これは2005年1月の統計開始以来初めて。「売り越し額は大幅に減少したが、海外勢が売り越している限り新規の買いは入れにくい」(準大手証券エクイティ部)と市場関係者は話す。

 1月下旬から2月初旬にかけて米国の機関投資家を訪問したリーマンブラザーズ証券チーフストラテジストの宮島秀直氏によると、日本株については約30社のうち半分が待ちのスタンス、残り半分は買いと売りが半々だった。「待ちのスタンスをとる米機関投資家は、日本株についてバリュエーション面で割安感が出ている銘柄もあるが、ヘッジファンドの解約申請期限が到来する2月15日もしくは3月15日前後に、再び市場が不安定になる可能性があるため、それを待ってからでも遅くないというのが主な見方だった」と宮島氏は言う。

 また、「米国投資家はバリュエーションを重視しているが、景気減速で一株利益が低下する懸念のある中で予想株価収益率(PER)のモノサシは使えないため、株価純資産倍率(PBR)などにポイントを置いている。中型株よりも時価総額が1兆円以上の大型株に注目している」と話している。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者)

 
 

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