08年度実質GDPは+1.6%程度、本格的後退は回避

2008年 02月 20日 12:54 JST
 

 [東京 20日 ロイター] 民間シンクタンクを対象にしたロイターの聞き取り調査によると、日本の2008年度実質国内総生産(GDP)見通しの中央値は、前年比プラス1.6%程度となった。07年度から目立った改善がみられず、踊り場的な様相を示すが、本格的な景気後退は回避する見通しだ。

 米国景気が年後半に財政・金融政策の効果で徐々に持ち直すと予想されていることが支援材料。1990年代の景気後退局面よりも余剰感の乏しい設備投資の動向も、悲観論の強まりに歯止めをかけている。09年度の予測中央値は2%を小幅に下回る成長率にとどまる見通しで、この先しばらくは潜在成長率並みの成長が続きそうだ。

 内閣府が14日に発表した07年10─12月期実質GDPは前期比年率プラス3.7%と、事前予想を大幅に上回る成長率を記録した。潜在成長率とみられている1%後半から2%程度の水準も大幅に上回った。この結果、プラス1.3%という07年度の政府見通しに示された経済成長率の達成はほぼ確実とみられる。民間エコノミストによる07年度の実質GDP見通しの中央値は前年比プラス1.6%となった。この水準は06年度の成長率(プラス2.4%)を下回り、02年度以来5年ぶりの2%割れとなる。

 08年前半の日本経済に関しては、楽観を許さないとの悲観的な見方が多い。エコノミストの08年度予想の中央値は、政府見通しのプラス2.0%、日銀展望リポートでの大勢見通し中央値のプラス2.1%をともに下回った。米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題が広がりを見せ、金融部門にとどまらず実体経済にも影響が波及しているからだ。外需は新興国向けがある程度カバーする可能性があるものの「米国向け輸出の減速などの形で、わが国の景気にも影響してくる」(三菱総研)として、影響は免れないとの見通しが民間エコノミストの大勢だ。  

 モルガン・スタンレー証券では「米景気失速でも新興国の需要が世界経済を下支えするとの『デカップリング論』はすでに退けられたも同然」と強調。「そもそも貿易拡大により世界経済の結びつきは以前にも増して強固で、完璧なデカップリングはあり得ない。実際、新興国でも米景気減速に伴う輸出の減速とともに、足元はおしなべて内需に減速の兆候が表れている」とした上で「日本の景気循環の事実上のメルクマールである鉱工業生産は、目先2四半期連続の減産となるリスクが高まっている」と分析している。 

 また、物価上昇などにより消費者マインドが悪化していることも懸念材料。農林中金総研は消費者物価について「08年前半中は商品市況の高騰に伴うコスト転嫁により、上昇率が高まることが予想される。これに伴い、所得の伸び悩みに直面する家計は消費抑制を強める可能性が高い」(農林中金総研)と慎重だ。 

 これらの点を踏まえ、今後の国内経済について「楽観を許さない状況にあり、向こう半年間は日本経済にとって一種の正念場となろう。この間、軽い景気後退に陥る可能性も完全には排除できない」(野村証券金融経済研究所)などの見方も出始めている。 

 ただ、出荷・在庫バランスをみると足元で在庫調整に迫られる可能性が低いとみられているほか、余剰感の乏しい設備投資などの動向を踏まえ、本格的な景気後退に陥るとの見通しは少数派だ。  続く...

 
 
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