緊迫感増す日銀総裁人事、政府案提示は来週以降に
[東京 27日 ロイター] 3月19日で任期満了を迎える福井俊彦日銀総裁の後任人事が大詰めで揺れている。政府は正副総裁人事案の国会への提示を来週以降に持ち越し、同意のカギを握る民主党の出方を探っているが、民主党内からは「情勢は混とんとしてきた」(民主党関係者)との声が出始めた。
政府・与党は当初、民主党が歩み寄ると楽観的な見通しを持っていたが、予算案や揮発油税の取り扱いとも微妙に関連し、当初想定された20日を過ぎてもなお、日銀総裁候補の政府案を提示できない事態に直面しており、次第に緊迫感を増しつつある。
政府案提示が予想以上にもたついている背景には、政府の読みの甘さと国会情勢が影響しているようだ。
与党は2008年度予算案と合わせて揮発油税の暫定税率の延長を含む租税特別措置法改正案の月内衆院通過を目指しているが、野党はこれに反発。小沢一郎民主党代表が「予算が1、2週間遅れても、行政の遅滞はない」(26日の会見)と述べて対決姿勢を鮮明にすれば、北側公明党幹事長が「しかるべき時期になれば、予算案と一部の歳入法案について採決するのは当然」(27日の会見)とし、強行採決も辞さない構えをにじませた。
与党にとっては月内の衆院通過が至上命題だが、それでも、与党関係者によると強行採決に対する福田康夫首相の決断が未だに下されていない。海上自衛隊のイージス艦による衝突事故や日銀総裁の国会同意人事を抱え、与野党の駆け引きは複雑化し、租税特別措置法改正案の修正協議の可能性にも議論が及んでいる。
日銀総裁人事も政治色を帯び、国会運営の駆け引きのカードと化してきたとの見方もある。福井日銀総裁の任期切れまで1カ月を切り、総裁が決まらない「空白」リスクも懸念される事態に、民主党関係者は「政府・与党の手続きミス」と突き放し「空白リスクはゼロではない」とけん制する。
北側幹事長は「与野党で一致点を見出せる人事案を最終的には見出せるものと思っている。心配していない」と述べるが、ある閣僚経験者は「これほど大事なことに、ああでもないこうでもないと時間がかかるのはよろしくない。事前によく話し合って案を出さないと非常に危ない」と危機感を募らせている。
(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子編集委員、 伊藤 純夫記者;編集 田巻 一彦)
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