株価の強さ際立つ総合商社株、来期営業30%増益観測も
[東京 5日 ロイター] 相場全体がさえない展開を続ける中で、総合商社株の強い動きが際立っている。資源をはじめ商品市況の上昇によるビジネスチャンスの広がりが手掛かりで、2009年3月期の営業利益が30%を超す伸びになるとの見方もあるなど大幅な増益期待が買いを誘っている状況だ。
この点を踏まえて現在の相場をみると、1月の全面安商状とは異なり、冷静に業績について評価を下す余裕が感じられるようになっている。
日経平均は3営業日連続で終値で1万3000円を割り込むなど、1月22日に付けたザラ場の昨年来安値1万2572円68銭の攻防を意識する展開となっている。市場では「急激なドル安/円高が株式相場を壊した。円高進行で主力の輸出企業の業績は厳しくなり、業績不安から買いが入りにくい状況となっている」(ピクテ投信投資顧問ヘッドトレーダーの小野塚二也氏)との声も出ており、為替相場が落ち着くまでは不安定な地合いが続くとみる関係者が多い。
既に、東京株式市場は全体の平均でPERが15倍前後まで低下しているほか、配当利回りは1.8%台まで上昇するなど「割安感が台頭する水準で、売られ過ぎの印象が強い」(中堅証券幹部)という。ただ、その一方で「急激なドル安/円高や商品市況上昇によるコストアップ懸念から、マーケット参加者は来期の減益を株価に織り込んでいる」(準大手証券情報担当者)とされ、業績見通しに対する不安感が一巡するまでは底打ちは難しいとの見方もある。
そうした中で、異彩高を放っているのが総合商社株だ。5日の東京株式市場では、一部外資系証券のレーティング引き上げや北海でガスと原油の大規模埋蔵を確認したとの報道などを材料視して急騰した丸紅(8002.T: 株価, ニュース, レポート)がリードする形で、伊藤忠商事(8001.T: 株価, ニュース, レポート)、三井物産(8031.T: 株価, ニュース, レポート)、住友商事(8053.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱商事(8058.T: 株価, ニュース, レポート)がいずれも買い優勢の展開となった。
商社株は、ここにきて急に買われたわけではなく、今回の全体の下げ相場と同様に大きく崩れた1月以降、鋭角的な戻しを演じている。日経平均が1月22日終値から3月5日終値までの変動率が+3.1%となっているのに対し、伊藤忠商事が+40.0%、丸紅が+54.2%、三井物産が+37.9%、住友商事が+26.9%、三菱商事が+43.4%と大きく上昇した。
総合商社株の大幅な上昇は、来期業績見通しの増益観測が背景にある。大和総研によると、2009年3月期の営業利益予想について、全産業の平均が+4.4%にとどまるのに対し、総合商社については平均で+35.8%になるという。これは増益率、全体への寄与率ともに、全産業中でトップだ。
同総研・投資調査本部ストラテジストの濱口政己氏は、総合商社株の見通しについて「原油や鉄鋼原料の価格前提引き上げが寄与し、大幅増益が想定される」と指摘する。
また、クレディ・スイス証券の総合商社担当アナリストである村上貴史氏は「鉄鉱石の価格は決定したが、石炭価格や原油価格の変動で想定値が上下する」と前置きした上で「ネガティブな予想は現状では考えにくく、各社とも最低で2ケタの増益が見込まれるのではないか。最近の株価上昇も、他のセクターに比べて収益見通しが明るいことが要因となっている」とコメントしていた。
(ロイター日本語ニュース 水野 文也)
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