前向きなメカニズムは少し弱まっているが、崩れてはいない=日銀総裁

2008年 03月 7日 18:44 JST
 
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 [東京 7日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁は7日、金融政策決定会合後の会見で、足もとの日本経済について、生産・所得・支出の前向きの循環メカニズムは少し弱まっているが基本的には崩れてはいない、との認識をあらためて示した。

 その上で、今後、世界経済や国際金融資本市場の秩序立った調整が進めば、日本もかつてに比べショックを吸収する力が強くなっているため、次の良い局面につながっていく可能性は十分残っている、と強調した。

 <日本経済は足もと減速>

 日本経済はサブプライムローン(信用度が低い借り手向け住宅ローン)問題や改正建築基準法による住宅投資の落ち込みなどから、成長シナリオに黄信号がともっている。福井総裁は「足もと住宅投資の落ち込みやエネルギー・原材料価格高の影響などから減速しているのは事実だ」と指摘。その上で「世界経済や国際金融資本市場などをめぐる不確実性も引き続き大きい」として、先行き注視していく姿勢をあらためて示した。

 ただ「生産・所得・支出の好循環メカニズムが基本的に維持される中で、緩やかな拡大が続くがい然性が高い」とも繰り返した。

 景気メカニズムの起点となる生産については「昨年後半にやや強めに推移した反動もあり、このところ横ばい圏内の動きとなっている」と説明。先行きについては「当面横ばい圏内で推移するが、在庫と出荷がバランスの取れた状態にあることを考えれば、その後増加していく」との見通しを示した。

 もっとも「海外の経済動向に左右される面もかなり大きいと思われるので、その影響については注意深くみていく必要がある」と警戒感も示した。

 <円高は交易条件もみる必要>

 為替市場や株式市場は世界的に振れの大きな展開が続いている。これについて、福井総裁は「投資家が従来に比べるとリスクをとる姿勢が消極的になっている。ポジションの形成の仕方をより安全な方へ調整している」ことが背景にあると説明。

 円高の影響に関しては「昔に比べると、為替の変動については、単に輸出産業の競争力への影響だけではなく、交易条件の変化にどういう追加的な影響を与えるかということも、同じくらいのウエートをおいて吟味されるようになってきている」として、円高だからマイナスとは単純には判断できないとの見方を示した。

 一方、原材料価格の高騰の影響については「油、1次産品を産出しない日本のような先進国にとっては、交易条件の悪化という形で、企業収益は非常に高い水準にあるが、さらなる収益の増加に対して若干かげりをもたらしている」と指摘した。

 <何が何でも上げるという台詞はない>

 福井総裁は、金融政策運営について「金利が低すぎるから何が何でも上げねばならぬという台詞はない」と述べ、あくまで経済や物価、金融情勢の先行きを読みながら判断するものだ、との姿勢を強調した。

 (ロイター日本語ニュース 志田義寧記者)

 
 
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