ドル100円割れでも日本の為替介入に市場は否定的
吉池 威記者
[東京 10日 ロイター] 7日の海外市場でドル/円は8年ぶりの安値となる101円前半に下落、100円割れが視野に入ってきた。2003年から2004年にかけて政府・日銀が大規模なドル買い介入に踏み切った水準となっていることで、前週末の海外市場では一部で介入のうわさを手掛かりにドルが買い戻された。
しかし、国際的に理解が得られにくいなどの理由から、仮に100円を割り込むような相場形成になったとしても、市場では当局が為替介入に動くとの見方は少ない。ドル/円相場自体、100円から大きく下落することはないと見る向きが多く、その面からも介入の必要性は高くない、という。
前週末の外為市場では、弱い米雇用統計を受け、ドル/円は一時8年ぶりの安値101.40円まで下落した。しかし、その後は103.25円に急反発した。ショートカバーなどの動きが大きな要因だが、日本のドル買い介入のうわさも出たようだ。政府・日銀は、現在と同じ100―105円の水準で、一段の円高を阻止するため、2003年1月から2004年3月までの間に約35兆円にのぼる介入を実施した。その後は2004年3月16日から、1991年の統計開始以降最長となる3年11カ月にわたり、為替介入を行っていない。
市場では、政府・日銀による為替介入の可能性には否定的な見方が多い。JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジスト、佐々木融氏は、ドル/円は今月中に100円を割り込むと予想するが、当面のドルの底値を98円と見ており、その水準から大きく下げる値動きは想定していない。仮に100円を割り込む展開になっても「7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の枠内で為替のマニピュレーション(操作)をしないことになっているため、G7参加国の理解が得らず、為替介入は難しい」と指摘している。
モルガン・スタンレー証券経済研究主席、ロバート・フェルドマン氏も「万が一、日本が単独で介入を実施した場合は、それを欧米当局がどう受け止めるかによって市場の反応は変わるだろう。もし、欧米当局が、日本の単独行動に対して遺憾の意を表明したり、無視したりすれば、市場はそれをエクスキューズに、さらにドルを売り込むという流れになるのではないか」との見方を示す。
さらに、1兆ドルにのぼる日本の外貨準備を支える政府短期証券(FB)の調達コストが、大規模介入をしていた当時に比べかなり高くなったことも、政府・日銀が為替介入に踏み切れない要因の1つであるとの見方もある。FBは当時、ゼロ金利政策の下、限りなくゼロに近かった。しかし、直近のFB3カ月物は0.56%付近に上昇している。
トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は7日、為替について「円高に振れすぎている。経営に与える影響が大きい」とし、素材価格の上昇なども考慮すると、現在のドル/円水準なら販売増とコスト削減での対応は厳しいとの見方を示した。トヨタは2008年1─3月期のドル/円レートを105円と想定していた。同社の場合、1円変動すると営業利益に年間350億円の影響を受ける。ここ数年円安の恩恵を受けた輸出産業の土台を揺るがしかねない。 続く...












