日経平均が1万2000円割れ、郵政解散後の改革期待が吹き飛ぶ

2008年 03月 17日 14:52 JST
 
記事を印刷する |

 [東京 17日 ロイター] 金融市場の混乱と信用収縮不安が深刻化し、円高、株安の連鎖に歯止めがかからない。株式市場では日経平均が一時500円超の急落となり、取引時間中としては約2年7カ月ぶりに1万2000円を割り込み、1万1600円台まで下げた。

 日本株は2005年8月の郵政解散以降、構造改革期待で買い上げられた部分をすべて吹き飛ばしたことになる。

 <日経平均は05年8月の郵政解散以来の安値に>

 週明けの東京株式市場は、急激なドル安/円高を受けて日経平均が急落した。米ベアー・スターンズBSC.Nの救済策や米連邦準備理事会(FRB)による緊急の公定歩合引き下げなどの措置も、市場の不安心理を緩和させることはできなかった。日経平均は一時2005年8月8日以来の1万1700円割れを記録した。

 株価は売り一巡後に下げ渋ったが、実は2005年8月8日には重要な意味が隠されている。この日、参院本会議で郵政民営化関連法案が否決された。当時の小泉首相は緊急の自民党役員会、臨時閣議を開催。同日夜、衆院は日本国憲法第7条に基づいて解散した。いわゆる郵政解散である。この日の日経平均の終値は1万1778円98銭だった。

 翌日から日経平均は怒涛(どとう)の快進撃を続ける。自民党の大勝が決まると株価の上昇はさらに加速。2007年2月の高値1万8300円まで上昇は続いた。「当時、構造改革期待による海外勢の日本株買いは、すさまじかった。今や政治への期待感喪失と同時に株価も吹き飛んでしまった」(外資系証券幹部)という。

 政治不信が株価に与える影響は軽視できない。足元では日銀新総裁人事をめぐる政治的な混乱が、日本株の見送り要因の1つにされている。「もともと日銀の政策余地は限られているため、空席の実質的な影響は少ないが、世界の金融市場が混乱している時に総裁不在では印象が悪い」(準大手証券ストラテジスト)と市場関係者はみている。

 <日経平均は1株純資産の1万1000円に接近>

 FRBは16日、公定歩合を3.50%から3.25%に引き下げたほか、プライマリーディーラーが公定歩合でニューヨーク連銀から資金を借りられる新たな貸出制度を創設するなどの措置を発表したが、株安に歯止めはかからなかった。

 みずほ証券・ストラテジストの北岡智哉氏は「短期的にはドル安/円高の副作用が大きいため、現在の株価にはネガティブに働いている。しかし、流動性供給の効果は時間を伴って出てくる。FRBが積極的に非伝統的な政策に打って出たことは評価できる。ベアー・スターンズ救済に関しては、日本で言えば2003年春のりそなへの公的資金注入に近いスキームであり、大きな前進だ。現在の株式市場は為替リスクに敏感になり過ぎている」という。その上で下値のメドについて「優良企業を中心に構成されている日経平均の1株純資産は2008年3月末予想ベースで1万1000円程度だ。このあたりが下値だろう。これを割り込めば、企業経営者はM&Aのリスクを感じる。増配や自社株買いなどが活発化する可能性が大きく、株価の下支えになる」と話している。

 日経平均の1万1700円はテクニカル分析の上でも大きな意味を持つ。03年4月の大底7603円から07年2月高値1万8300円までの上げ幅に対する黄金分割比61.8%押しが1万1700円どころになるからだ。仮にこの水準で下げ止まれば、「チャート上は歴史的な二番底を形成する」(テクニカルアナリスト)ことになる。

 (ロイター日本語ニュース 河口 浩一記者)

 
 
Photo

編集長のおすすめ

ロイターオンライン調査

Photo
海外旅行
飛行機で国内旅行
マイカーで国内旅行
電車で国内旅行
遊園地やショッピングなど近場で過ごす
どこへも行かない
その他