政府が日銀総裁に田波・国際協力銀総裁を提示、今夜の民主党判断に注目

2008年 03月 18日 17:39 JST
 
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 [東京 18日 ロイター] 政府は18日午前、国会に対して福井俊彦日銀総裁の後任として田波耕治・国際協力銀総裁(元財務事務次官)、副総裁として西村清彦・日銀審議委員を起用する案を提示した。

 この政府提案に対し、鳩山由紀夫・民主党幹事長は、田波総裁候補への同意は難しいと表明。小沢一郎代表は候補者からの所信・意見聴取後に党内プロセスを経て結論を出すと述べ、18日夜に下される民主党の判断に注目が集まることになった。民主党が「田波総裁」案に反対した場合、参院で不同意になる可能性が高く、その場合には「総裁空席」という事態がいよいよ現実味を帯びることになる。

 <民主は18日夜に結論>

 鳩山幹事長は18日、記者団に対し「財務次官経験者で、しかも主計畑だ」と武藤敏郎日銀副総裁と同様の経歴であることを指摘し「(同意するのは)なかなか難しい判断となる」と述べた。

 同党の仙谷由人・国会同意人事検討小委員会委員長は記者団に対して「(田波氏は)佐々波委員会(金融危機管理審査委員会)の時に中途半端な資本注入をして、日本の金融破たんを招いた時の財務次官だ」と指摘。「党内は大議論になるのではないか」と述べ、同党内に反対論が広がるとの見通しを示した。山岡賢次国対委員長も、個人的には田波総裁候補に同意することはほぼ不可能だと思うと述べた。

 同党内では、田波総裁案に対する反対論が広がりを見せているが、小沢代表は午後3時からの衆院での候補者に対する所信聴取を前に、候補者からの所信聴取後に党内の手続きにしたがって議論を進め結論を出すとの見解を表明。その時点では、田波総裁案への評価を控えた。

 <国民新党は田波総裁案に賛成の可能性>

 田波総裁案に対しては、社民党も反対の意向を示しているが、共産党は党内で検討するとした。一方、国民新党は国内経済安定を優先する観点から判断すると表明し、同意に含みを残した。

 一方、副総裁候補になった西村審議委員に対し、鳩山幹事長は「なかなかの抜てきされた人事ではないか」と述べ、同氏のこれまでの政策委員としての経験が副総裁職に就いた後も生かされるとの考えを示した。

 <官房長官は同意に期待感を表明>

 こうした野党の反応に対し、町村信孝官房長官は18日午後の会見で、同日午後の民主党幹部との会談では田波総裁案への反対の話は出なかったとし、財務省出身者が金融のトップに立てないという論理は、世界の実情から照らしても理解に苦しむとの見解を表明。今回の新提案は「同意されると思っている」と強調した。

 19日に福井総裁と同時に任期切れとなる2人の副総裁のうちの1人として、白川方明・京大大学院教授(元日銀理事)の就任は、すでに衆参の同意を得て確定している。

 民主党が「田波総裁」案に反対し、国民新党を除く野党各党が反対した場合、参院で再び、不同意になる公算が高くなる。西村副総裁候補が同意されると、副総裁2人が決まり、総裁ポストだけが空席という異例の事態に直面する。

 <19日に衆参本会議で採決>

 政府は当初、武藤敏郎・日銀副総裁の総裁昇格と伊藤隆敏・東大大学院教授の副総裁就任を7日に提案したが、12日の参院本会議で不同意となり、再提案を迫られていた。

 福井総裁ら3人の正副総裁の任期切れが目前に迫り、米サブプライムローン(信用度の低い借手向け住宅融資)問題を発端とした金融・資本市場の混乱が深刻化する中で、総裁ポストの空席を回避するため、ギリギリのタイミングとして18日の人事案提示に向け、政府は調整を進めてきた。

 新人事案の提示を受け、18日午後3時から衆院、午後5時から参院で候補者の所信聴取が行われた。この結果などを踏まえ、各党は最終的に賛否を判断。衆院は19日午後零時半、参院は19日正午からそれぞれ本会議を開き、日銀人事案を採決する。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦)

 
 
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