ドル/株ともに伸びきれず、イースター休暇明けの海外勢を警戒
[東京 24日 ロイター] 24日の東京市場はドルが小じっかりの中、株高・債券安。欧米の中央銀行がモーゲージ担保証券(MBS)買い入れの可能性について協議していると一部で報じられ、後に否定されたものの、株式の売り方が慎重になった、との声も聞かれた。ただ、イースター休暇で海外勢の資金フローが限られており、方向感は出ていない。
為替市場でもドル/円は瞬間的に100円に乗せたが、上昇に勢いはなく上値の重さが意識されている。イースター休暇明け以降、大荒れの展開となった前週の地合いを引き継ぐのか、年度末・四半期末を前に動きがとまるのか、国内の市場関係者は決算の着地に神経質になっている。
<材料が出れば大揺れ>
東京株式市場では日経平均が小幅に続伸しているものの、前週末の米国市場が休場で手掛かり材料が少なく動意に乏しい。日経平均は前週末までの3日間で700円弱上昇した後であり、戻り売りが出やすく、上値を抑えられている。
「海外勢のフローが少ないなか、新年度の運用資金が一部前倒しで入っている。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)の米株先物が堅調なことも追い風」(準大手証券エクイティ部)という。25日に3月期決算企業の権利付き最終売買日を控え、配当や株主優待を狙った個人の資金も流入しているとみられている。
みずほインベスターズ証券、投資情報部部長の石川照久氏は「フィナンシャル・タイムズ紙が世界的な信用危機問題の解決のため、欧米の中央銀行がMBS買い入れの可能性について協議していると報じ、その後、米連邦準備理事会(FRB)高官が否定したが、こういう話が出てくること自体が売り方にとって売りにくい」というが、「ひとつ材料が出れば上にも下にも行きやすい相場だ」と話している。
ある投信関係者は「東京市場は、中心銘柄がけん引役となって株価を上げていくというよりは、周辺銘柄の水準訂正になっている。法人企業景気予測調査も足元は厳しいものの7─9月期が大企業全産業でプラスに転じており、むしろ楽観的な印象がある。市場の認識はもっと慎重で、下期も景気は厳しいとの見方が広がっている」と語る。
<海外マネーは期待薄>
商品市況は引き続き軟調だ。米原油先物は、日本時間24日朝の電子取引で前営業日のニューヨーク終値から1ドル近く下落し、1バレル=101ドルを割り込んだ。商品市況の下落が利益確定の動きであれば、長い眼でみて原燃料コストの低下につながり、景気、企業業績に好材料だが、リスク資産圧縮の動きが商品相場にも波及してきたと考えれば、それほど楽観できない。
第一生命経済研究所、主席エコノミストの嶌峰義清氏は「商品買い・ドル売り・株売りのアンワインド観測が台頭したが、これまでの状況が急にひっくりかえることはないだろう。利下げ圧力が強いなかでドル安が止まる可能性は低い。原油は1バレル100ドルのレベルから2ケタ台までは下げるとみているが、たとえば95ドルにまで下落すればOPECが減産カードを出し始める」と指摘する。
同氏は「株式に資金が戻ってくるには日米ともに景気不安が後退する必要があるものの、今の株式市場がファンダメンタルズを正確に反映しているとは思えない。特に国内株式は、日銀総裁人事も含めた政局不安の方がクローズアップされ、海外投資家の日本パッシングを増長している。年度を越えても、海外マネーが入ってくるか不透明だ」という。
<瞬間で100円乗せ>
為替市場では、ドル/円はしっかり。海外のヘッジファンドや米系金融機関によるドル買い戻しが優勢となり一時100円ちょうどまで上昇した。ただ年度末を控えた輸出企業の売りやオプション絡みの防戦売りが並んでおり、上値は抑えられている。
ある邦銀関係者は「明確な100円台回復はなかなか難しい」と述べている。別の邦銀関係者は「3月末までは輸出企業が断続的に売ってくる。101円、102円は絶好の売り場になる」と指摘している。
ユーロ/ドルは、仲値公示から正午にかけて1.54ドル付近から1.5341ドルまで急落した。ファンドや投資銀行などの売りに押されたと見られている。ユーロ/円もこの影響で153.10円まで下落した。市場では、ユーロ/円の長期上昇トレンドの持続可能性を疑問視する見方が浮上してきた。「相場がチャート上のキーポイントである149.25円を割り込むか、月末の終値ベースで153.55円のサポートラインを下回れば、2000年10月の安値(88.93円)から始まった長期上昇トレンドがいったん終わる可能性もある」(外銀)との声も聞かれる。
<債先の割高さ修正局面>
ドル相場や株式の動きを受け、円債市場は軟調推移。特に先物の甘さが目立った。
外資系証券の債券ディーラーは「国債先物の割高さをみて前週末に売りを入れた投資家も少なくない。24日はこうしたフローはみられなかったが、目線がやや売りに傾き始めた雰囲気」と話す。
国内証券のアナリストは「先物ゾーンの強さが、5年70回債流通利回りと残存7年の最割安銘柄(チーペスト)の逆イールド化につながっていたが、これも解消されている」と話した。5―7年での逆イールドは極めて異例。市場には「海外ファンドからとみられる手じまいが、異常な価格形成につながっていた」(前出の債券ディーラー)との見方が多い。
クレディ・スイス証券・債券ストラテジストの福永顕人氏は「前週末までに極端に割高進行した国債先物をはじめとするアンワインドの戻りが続いている。流動性危機のようなかたちで国債先物が買われるフェーズは、前週対比でみれば、ひとまずはピークアウトしているとみられる」と指摘した。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩)
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