政府が日銀人事案を提示:識者はこうみる

2008年 04月 7日 19:36 JST
 
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 [東京 7日 ロイター] 政府は7日午後、国会に対して日銀総裁に白川方明副総裁(総裁代行)を昇格させ、副総裁に前財務官の渡辺博史・一橋大大学院教授を起用する人事案を提示した。市場関係者のコメントは以下の通り。

●バランス重視の人選で意外感なし

 <みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

 事前に予想されたバランス重視の人選と受け止めている。よって意外感はない。副総裁人事に関しては、すんなり同意されるかどうか微妙だが、総裁空席が解消され副総裁が決まったとしても、足元の経済・金融環境からみて、日銀が相当長期にわたって利上げに踏み切ることができない状況に変わりはない。

 利下げに関しては、日銀プロパーとしての白川氏の就任が、若干、実現可能性を低下させる要因になり得る。白川氏は、これまでに金融緩和の考え方について、短期のみならず、中長期の低下も踏まえて総合的に判断するとの姿勢をとっている。前任者が築いた下げ余地を早期にムダ打ちすることは考えづらい。

●総裁決定ならば株価に多少プラス

 <明治ドレスナー・アセットマネジメント トレーディング部長 若林仁氏>

 日銀総裁に白川方明副総裁を昇格させるという政府案は民主党も了承するとの観測が出ており、この人事がほぼ決定すると想定すれば、株式市場にとって多少はプラス材料となるだろう。もっとも、総裁空席の現状の方が異常事態だったので、反応が全くないことはないというイメージ。これをもって株式の大きな買い材料にはならない。

 副総裁人事については、民主党内でも意見が分かれているようだが、仮に決まらなくても大きな売り材料にはならないとみている。

●G7前に決定すれば株式市場に安心感

 <大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画部部長 高橋和宏氏>

 白川方明氏は安定感があり、経験も豊富でまったく問題はない。この政府案を民主党が拒否することもないだろう。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)前に日銀総裁が決まれば株式市場にも安心感が広がる。ただ、これまでの政治的な混乱に市場は飽き飽きしている。副総裁人事でさらにもめるようであれば、政治的なリスクの火種を残すことになりそうだ。

●白川副総裁の昇格案、マーケットに安心感

 <バークレイズ・キャピタル証券・チーフストラテジスト 森田長太郎氏>

 政府は、日銀総裁に白川副総裁の昇格、日銀副総裁に渡辺前財務官の起用を提示した。白川氏は即戦力、渡辺氏はバランスを考慮した人事で、想定外でなかった。

 日銀内のメーンストリートを歩んできた白川氏が総裁になった場合、基本的に福井前総裁と考え方が共通した点が多い。政策に対する不安感がないという点で、マーケットに安心感を与えるのではないか。

●為替への影響は目先乏しい、長期的には不透明感

 <三菱UFJ証券 投資情報部シニア投資ストラテジスト 服部隆夫氏>

 日銀が当面は政策金利を据え置くとの見方は変わらず、短期的に外為市場に与える影響は限られると考える。目先は景気や物価の動向を見ながらの動きとなるだろう。

 ただ今後、少子高齢化の進展などで税収が増えず、財政赤字がクローズアップされる中では、学者肌で日銀の「技術屋」的なイメージが強い白川氏という選択には不安が残る。財政赤字が拡大し国債の発行量が増え、中央銀行は金融正常化の必要に迫られる一方、場合によってはインフレが起こる可能性もあるという難しい情勢だ。いわゆる国債の2008年問題は表面上クリアしたが、実質的には08年以降、財政赤字をどう削減するかがテーマとなる。こうした状況では、中銀の実務を理解したうえで、やや超法規的ともいえるが、財務省とのパイプの太い人が適任だったのではないか。日本のインフレや財政破たんリスクが高まった気がする。

 
 
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