現在は不確実性高く、政策の方向性に予断持たず=白川日銀総裁

2008年 04月 10日 06:33 JST
 

 [東京 9日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は9日、正式な辞令交付前の段階で金融政策決定会合の終了を受けて記者会見し、景気認識について、当面減速するもののその後、潜在成長率並みの成長に戻ると述べ、循環メカニズムは途切れていないとの認識を示した。

 ただ、日銀としては、特に不確実性が高い状況にあり、今後の情勢や経済指標を分析し適切に政策判断を行っていく方針を示した。利下げについては、下振れリスクが顕現化しないかよく見極めたいと述べた。白川総裁は、今の調整圧力が終われば、同じ政策金利でも経済に対する効果は変わってくると述べ、下振れリスクだけでなく上振れリスクへの点検も必要との考えを示した。

 その後の総裁就任会見では、政策効果にタイムラグがあることや金融と経済の相互関係も踏まえて、中長期リスクに目配りしていく姿勢を示した。

 <潜在成長率並みの成長続くが、不確実性特に高い>

 4月の日銀金融経済月報では、景気判断を現状、先行きともに下方修正し、「緩やかな拡大」との表現を削除した。白川総裁代行は、「景気は当面減速するものの、その後は潜在成長率並みの緩やかな成長経路をたどる」との見方を示した。ただ「世界経済の不確実性やエネルギー・原材料高の影響には引き続き注意が必要。日銀としては今後公表される指標や情報を丹念に点検し、適切に政策判断を行っていく」との方針を示した。さらに「金融市場の安定については引き続き動向を注意深くモニターしていく」とした。

 景気判断を下方修正したこともあり、利下げ方向への政策判断がありえるのか、との質問には「現在は不確実が特に高い。こうした状況では先行きの政策の方向性に予断を持つことは適当ではない」として、利下げの可能性も排除しない姿勢を示した。その上で「この先の経済・物価の展開について、下ブレリスクが顕在化するのか、それとも持続的な成長経路をたどるのか、毎回の決定会合でよく見極めたい」と述べた。政策金利の効果については、これまでの発言を踏襲し「名目短期金利だけではなく、全体としての緩和力を評価すべき」として「短期金利は物差しの1つであり、それだけから金融政策の方向性を判断はできない」と述べた。

 <メカニズムは途切れていない>

 生産・所得・支出の前向き循環メカニズムについて白川総裁代行は「足元弱まっているが、途切れたわけではない」との見方を示した。生産は横ばい圏内の動き、所得面でも短観で企業収益が07年度は減益に転じる姿となり、支出面でも設備投資の増勢が鈍化しているとしてメカニズムは足元弱まっているが、輸出が幅広い地域に向け増加を続けており、出荷・在庫も概ねバランス、設備、人員面でも過剰感はないとして、メカニズムは途切れていないと説明した。  続く...

 
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