FSF最終報告書、表面的で影響は限定的との見方
[ニューヨーク 11日 ロイター] 日米欧などの金融監督当局で構成する金融安定化フォーラム(FSF)が11日、市場混乱の再発防止に向けた提言を盛り込んだ最終報告書を7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に提出したが、ウォールストリート(米金融街)からは、内容が表面的過ぎて大きなインパクトはない、との評価が聞かれている。
FSFの最終報告書には、格付け会社の格付け基準厳格化、銀行の自己資本健全化に向けた新国際決済銀行(BIS)規制(バーゼルII)の強化などが盛り込まれた。
トラディッション・キャピタルのベンジャミン・ハリバートン最高投資責任者(CIO)は「自己資本規制強化の議論は、すでに米国で行われている。それが国際レベルに発展するのは、歓迎すべきニュースと言えるが、それは牛が出て行った後に牛舎の扉を閉めるようなものだ」と指摘。
自己資本規制の強化は、将来起こる可能性のある問題を防ぐ効果はあっても、クレジット市場がいま抱えているの問題に対応するものにはならない、と見ている。
投資家やアナリストからは、市場に与えるインパクトは限定的、との見方が聞かれる。
サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 問題の影響は米金融市場から世界の市場へ広がった。
3大格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード&プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングスは、サブプライム関連証券を大量に格下げ、最上級のトリプルAからジャンク(投機的)等級に一気に下げられたものも出た。
FSFの報告書は、現在の混乱を引き起こした主な要因の一つとして、仕組み金融商品の格付けに対する信頼感の低下を挙げた。
これに対し、3大格付け会社は格付け手法の改善でFSFと協力する姿勢を示した。
S&Pのデブン・シャーマ社長は声明で「資本市場の透明性向上、安定、信頼回復に向けたFSFの取り組みを支持していく」と表明した。
FSFの最終報告書は、格付け機関が証券化商品と社債の格付けを区別することを提言。実は、シャーマ社長は、10日のロイターとのインタビューでは、「異なる判定基準を用いることは検討しているが、まったく新しい格付けシステムは考えていない」とし、FSFの提言を実質拒否する姿勢を示していた。
最終報告書の格付け会社に関する提言をめぐっては、踏み込み方が足りないとの声が聞かれる。
グラハム・フィッシャーのマネジング・ディレクター、ジョシュ・ロスナー氏は「機能面の修正というより、満足を与えることを狙ったもの」との見方。
同氏は「問題は、分析に深刻な欠陥があったこと。呼び方を変えても欠陥を直すことはできない」とし「トリプルAの債券をトリプルAの仕組み金融資産とするように、という趣旨だが、大きな修正ではない。しかもそれは自主性に任せたものだ」と指摘した。
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