インテルの好決算受け株高、米銀業績に楽観的な見方も

2008年 04月 16日 13:28 JST
 
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 [東京 16日 ロイター] 16日の東京市場は、インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)が15日に発表した好決算を受けて日経平均が一時、200円を超す上昇となった。市場にはこれから発表される米金融機関の決算に対する楽観論も浮上した。

 足元では株にマネーが戻る可能性を指摘する声も出ている。ただ、米金融システムの受けた傷は深いとの懸念も根強くあり、日本国内の景気減速も目立っているため、金利市場は様子見ムードが強まっている。

 株式市場では日経平均が続伸し、上昇幅は一時200円を超えた。15日の米国株式市場引け後にインテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)が市場予想を上回る決算を発表したことで、ハイテク株が買われたほか、今夜の米国株高への期待感も広がった。前日の米国株市場では、複数の米地方銀行の四半期決算が予想を上回ったことから金融株が買われており、日本でも銀行、証券、ノンバンクなど金融株が堅調な値動きとなっている。「インテルの効果は大きい。市場は悪材料に反応せず、好材料に反応するようになってきた」(SMBCフレンド証券・投資情報室次長の松野利彦氏)との声が出ている。

 予想外の減益となった米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算で、市場の警戒感は強まっていたが「米企業決算への悲観ムードが後退した。今週は米大手金融機関の決算発表が山場になるが、大きな損失が出てもサブプライム問題への対応を進めているという前向きなとらえ方になりそうだ。悪材料出尽くし感につながるとの期待もできる」(新光証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏)という。

 <注目集める米銀決算>

 また、立花証券・執行役員の平野憲一氏は「足元の堅調さは、米インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)好決算の影響が大きい。前日の米国地銀の決算が全般に予想よりもよかったことを受けて、今夜のJPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算も悪くはないのではとの観測が出ているようだ」と述べる一方で「JPモルガンをはじめ、17日のメリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)、18日のシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、21日のバンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算が出るまで気は抜けない」と米金融機関の決算内容に対し、警戒感を緩めていない。

 実際、ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)は、メリルが17日発表する2008年1─3月期決算で60─80億ドルの損失を新たに計上すると報道した。

 米金融機関の動向に詳しいある市場関係者は「今回の第1・四半期決算で、公的資金が必要なほどの損失を出す米金融機関はないと思うが、第2・四半期以降は楽観できない。米国はじめ日本の株式市場も今は堅調だが、先行きの不透明感はぬぐい切れていない」と述べている。

 <海外勢の日本株買い、いまだ本格化せず>

 こうした中で日本の株式市場で最大の投資主体となっている海外勢の動きは鈍い。「欧州年金等が打診買い程度の買いを入れているものの、大口の買いが入らないため、戻り売りに押されやすい。外国人のリスク許容度が改善するのは、早くても決算が一巡する5月以降だろう。それまで上値は限られる」(大手証券マーケットウォッチャー)との見方もある。

 三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「基本的に実需サイドは様子見であり、先物を手がけるマネージド・フューチャーズなどが中心の相場となっている」と指摘。「今後、日経平均で1万3500円、1万4000円を目指すなら現在、2兆円割れの東証1部売買代金が2.5兆円から3兆円まで膨らむことが必要だろう」とみている。

 <業者が国債先物にヘッジ売り>

 午前の円債市場は続落。海外市場で15日発表された3月米卸売物価指数(PPI)が事前予想を上回り、欧米の債券相場が売られた流れを継いだ。最終投資家から超長期債に小口の買いが入る一方、中期債に売りがみられ、相場が反転するには至らなかった。

 複数の市場筋によると、前日に超長期ゾーンを買った国内機関投資家の一部が中期ゾーンで売りを出したほか、前日に機関投資家の買いに応じた業者の一部が超長期ゾーンの現物を買い、先物でヘッジ売りしたことも価格形成に影響したという。

 エネルギー価格上昇を背景にしたインフレ懸念は、国内勢からの国債現物長期ゾーンの買いでかき消された。海外市場で16日発表される3月米消費者物価指数や、週末にかけて予定される米主要金融機関の決算を控え、主要投資家の動きは鈍かった。

 外資系証券のストラテジストは「PPIが事前予想を上回ったほか、ニューヨーク州製造業業況指数が予想外に強い数字だったこともあり、前日の米債券相場が売られた流れを継いだ。一部海外勢からはアウトライトの投げが出た」と話した。

 LIFFE先物6月限の15日清算値が139円45銭だったこともあり、16日の相場がある程度軟調になることは予想されていた。市場には「インフレ懸念から欧米の債券が売られた流れを継ぐ公算が大きい。インフレ懸念が波及すれば先物主導で長期金利が押し上げられ、イールドカーブの形状がベア・フラットニングすることも考えられる」(別の外資系証券)との読みもあった。

 しかし、先物こそ値を下げはしたものの、長期/超長期債利回りは小じっかりで推移した。外資系金融機関のファンドマネジャーは「最終投資家が超長期債を買う一方で中期債に売りを出していたことが、相場が反転するに至らなかった要因」と指摘した。

 このファンドマネジャーによると、長期ゾーンには邦銀の買いが入り、インフレ懸念はかき消された。「コストプッシュだから長続きはしないとの見方を反映したとも言える」(同)という。一部海外勢からの先物買いもあったという。

 <利下げ期待後退、短期ゾーンの利回り上昇傾向>

 一方、金融政策に敏感な短期債利回りは上昇した。2年267回債流通利回りは前日比1ベーシスポイント高い0.610%となり、2月27日以来ほぼ1カ月半ぶりの水準に上昇した。「日銀利下げを織り込む水準での利回り推移だっただけに、こうした見方が後退している裏付け」(国内金融機関)との見方があった。「前週末以降、5年ゾーンにかけて金利低下ピッチが鈍っている」(外資系証券)との声も聞かれる。

 短期金利の小幅上昇、長期金利横ばい、超長期金利の小幅低下により、イールドカーブはツイスト・フラットする形状となった。

 もっとも、主要投資家の動きは総じて鈍かった。国内証券のアナリストは「一時に比べれば信用不安が後退したとはいえ、警戒感はくすぶったままだ。米国で5月実施の減税などの経済対策の効果が、統計に反映されるにはタイムラグが生じるとみられ、米国経済の底入れ時期にも不透明感が漂う。16日の米3月消費者物価指数や、メリルリンチ、シティグループなど主要金融機関の決算を見極めたいとのムードが強い」と話した。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 佐々木美和)

 
 
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