Jパワーへの増配要求、設備維持・修繕費は損なわれない=TCI
[東京 17日 ロイター] 英投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)のアジア代表、ジョン・ホー氏は17日の記者会見で、電源開発(Jパワー)(9513.T: 株価, ニュース, レポート)に対し、配当の倍増を要求する株主提案をしたことについて「これによって送電線など設備の維持・修繕費が損なわれることはない」との考えを示した。
TCIは17日、Jパワーに対し、6月の株主総会に向けて、年間配当を120円とすることを含めた5議案を提出すると通知。Jパワーの2007年3月期の配当予想は年間60円で、年間120円は倍増要求となる。ただ、ホー氏は年間120円の配当について「金額にすると200億円だ」と指摘。他の電力会社の平均と同水準であるほか、Jパワーの2007年3月末の株式持ち合い総額が680億円にのぼることから「大きな金額ではない」とした。
政府は16日、TCIに対して、Jパワー株の20%までの買い増し計画に中止勧告し、この理由として、経営陣への働きかけによってJパワーの基幹設備の修繕が損なわれるおそれを指摘した。これに対してホー氏は「配当は設備の維持費や修繕費などコストを差し引いた利益から支払われるものだ」としたうえで、「より高い配当が設備の維持費を損なうという議論は間違っている」との考えを示した。
TCIは増配要求のほか、株主提案で、定款変更によって社外取締役3人の枠の設定することを求めた。ただ、ホー氏は「TCIが自分の好みの役員を選出する能力は持っていない」として、自ら役員を推薦する考えのないことを明らかにした。昨年11月には、ホー氏自らが社外取締役になることを提案したが、Jパワーが拒否している。ホー氏は「そもそも(Jパワーは)社外役員に外国人が選任されることには敏感なのだと理解している」と述べた。そのうえで、Jパワーの社外取締役としては「日本人の経験豊かなビジネスパーソン」が適任だとの考えを示した。
政府からの投資計画の中止勧告に対し、TCIは25日までに諾否の回答が求められている。中止勧告を拒否すれば、日本政府は中止命令の行政処分を出す方針。TCIには、行政不服審査法に基づいて異議を申し立てたり、行政訴訟を起こす選択肢もあるが、ホー氏は「(勧告の)内容を分析している過程にある。今後、どうするかは決めていない」と述べた。
TCIが欧州連合(EU)のピーター・マンデルソン欧州委員(通商担当)に、日本の外資規制が不透明だと指摘する書簡を送ったことについては「これまで政府にどういう基準で審査が進められているのか、懸念があるならどうやって解消することができるか、そういう質問を繰り返してきたが、その回答が政府のほうからなかった。その懸念を表明した書簡だ」と説明。ただ、委員の反応については「現在のところコメントするものはない」と述べるにとどめた。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)
© Thomson Reuters 2008 All rights reserved.



資源ウォーズ「中国勝利、日の丸敗退」











