北島が200m平で貫禄の日本新、北京での日の丸誓う
[東京 19日 ロイター] 日本競泳界のエース北島康介は19日、北京五輪の代表選考会を兼ねた日本選手権第5日の男子200メートル平泳ぎで、自身の持つ日本記録を塗り替える2分08秒84で優勝し、100メートルに続いて五輪出場を決めた。
女子200メートルバタフライでは中西悠子が100メートルに続く日本新をマークし、2つ目の北京行きを獲得。がけっぷちの柴田亜衣も女子800メートル自由形で派遣標準記録を突破し、2大会連続の五輪切符を手にした。
ベテラン北島や中西の貫禄の日本新記録や、五輪出場に懸けた柴田の粘り強い泳ぎなどに、満員の東京辰巳国際水泳場が幾度となく沸いた。アテネ五輪メダリスト以外でも、末永雄太が200メートル平泳ぎで、高校生の星奈津美が200メートルバタフライでそれぞれ北京行きを決め、男子200メートル背泳ぎでも入江陵介と中野高が初の五輪代表を勝ち取り、大会は5日目で最高の盛り上がりをみせた。
北島は100メートルでは優勝こそしたものの、狙っていた日本記録の更新を果たせず、悔しさをあらわにした。200メートルは違った。「100では力んだが、200はリラックスしてレースに臨んだ」のが奏功し、前半から好調に飛ばしたほか、「滑らかで軽い泳ぎができた」(平井伯昌コーチ)。
米国のブレンダン・ハンセンが持つ世界記録には0秒34及ばなかったが、前半を世界記録を上回るペースで泳いだことを知った北島は「あともうちょっとだったな」と叫び、会場の笑いを誘った。「ハンセンにプレッシャーをかけたと思うか」との問いには「自分をライバルだと思ってくれていれば何らかの刺激を受けると思う」と語った。
約5年ぶりに記録を塗り替えたことで「もやもやがようやく晴れた。これからの練習でいい波に乗っていける」。「もちろん、北京ではセンターポールに日の丸を僕が揚げたい」と力強く語った。
アテネ銅メダルの中西も、終始リードを維持し、力強い泳ぎをみせた。100メートルの日本新は「自身にも驚き」だったが、200メートルの日本新は「目標通り」。ただ、2分06秒38という記録には満足していない。「2分05秒台を狙っていた」ため。「もっと高いレベルを狙っていたが、これは本番にとっておきたい。五輪ではできるだけ『いい色のメダル』を狙っていきたい」。
アテネ五輪の女子800メートル自由形で「無欲の金メダル」を獲得した柴田は、今大会第一日の400メートル決勝で優勝しながらも、派遣標準記録を突破できず、五輪行きが先送りとなっていた。800メートル決勝では、隣の矢野友理江がいきなり飛び出したが柴田は慌てなかった。「後半が勝負」との思いで落ち着いた泳ぎを続け、500メートル近辺からは逆にじりじりと矢野を突き放した。
大声援のなかでのゴール。「皆の声が聞こえたので、あきらめなければ行けると思って踏ん張れた」(柴田)。400メートルで意気消沈した時とはまるで別人。メダリストとしてプレッシャーがかかるなか「何が何でも800で(標準記録を)切ってやろうと思って今日まできた」。五輪に向けては「まだ金メダルとまでは言えないが、自分の最高の泳ぎができるよう気を引き締めてがんばりたい」。柴田スマイルが復活した。
一方、男子100メートルバタフライ準決勝では、男子200メートル個人メドレーで初の五輪切符をつかんだ藤井拓郎が52秒14の日本新記録で首位通過。前日本記録保持者の山本貴司は4位で決勝に進んだ。4大会連続の五輪出場を懸け「持ってる力を全て出して誰より早くタッチしたい」(山本)。厳しい戦いが予想されるが、「観に来てくれるたくさんの人に自分が一生懸命やるところを見て欲しい」との思いを胸に決勝に臨む。
女子200メートル背泳ぎ準決勝は、100メートルで優勝した伊藤華英が首位、中村礼子が2位で決勝に進んだ。大会最終日となる20日、最終種目として決勝が行われる。
(ロイター日本語ニュース 大林優香記者)
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