焦点:中国株式市場、印紙税下げで20%上昇も

2008年 04月 24日 14:54 JST
 
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 [上海 23日 ロイター] 中国政府は23日、株式取引にかかる印紙税を引き下げた。市場では、過去半年にわたる弱気相場が終了し、今後数週間で20%以上株価は値上がりする可能性があるとの見方が出ている。印紙税率は0.3%から0.1%に引き下げられた。

 短期の値ザヤ稼ぎで活発に取引を繰り返す投資家を除けば、取引コストの低減にはほとんどつながらないが、計画経済の伝統のある中国では、政府の対策に株価が敏感に反応する傾向が強い。

 市場関係者は、今回の印紙税引き下げについて、株価を下支えたいという政府の意向の表れだと指摘。今後、株式市場に大量の資金が流入するとの見方を示している。

 上海総合株価指数は、昨年10月につけた過去最高値から51%急落、22日には1年2カ月ぶり安値となる2990.788まで下落していた。

 オリエント証券のストラテジスト、Zhang Yang氏は「中央政府の意向を反映した措置だ。政府は、株価下落が、社会不安や実体経済悪化につながることを懸念している」と指摘。

 「今回の政策転換で、市場の地合いが改善し、新規資金が流入するだろう。上海総合株価指数は少なくとも4000まで上昇する見通しだ」と述べた。

 国泰ファンド・マネジメントのファンドマネジャー、Huang Yan氏も、4000が目標になると予想。その後の展開は、経済動向に左右されるとの見方を示した。

 同氏は「今回の減税には、3000付近を底値にしたいとの政府の意向が明確にあらわれている。スタグフレーションへの懸念はあるが、中国経済にそれほど大きな問題があるとは思えない。これまで市場は悲観的すぎた」と述べた。

 上海総合株価指数は、2005年6月─2007年10月の約2年半で約6倍となった。好調な企業業績や非流通株改革を受けて、それまで株式市場に縁のなかった個人投資家が市場に参入したことが背景だ。

 しかしその後、高値警戒感、インフレの進行、相次ぐ新規上場などを受けて、相場は大きく転換、強気相場は、昨年末に突然の終幕を迎えた。

 今回の印紙税引き下げでも、大きな懸念要因が消えたわけではない。インフレ率は11年ぶりの高水準、海外環境が悪化すれば、中国経済が減速する可能性もある。非流通株改革と株式公開後のロックアップ期間(株式売却禁止期間)終了で、大量の株式が売却されるとの懸念も残る。

 <割安感>

 ただ、これまでの弱気相場で解消された問題もある。

 市場関係者は、株価水準が大幅に割安になったと指摘。上海A株の香港H株に対するプレミアムは今週、平均28%と、昨年7月以来の水準に低下した。今年1月には113%に達していた。

 市場関係者は、人民元高の進行や中国の資本規制を考えれば、ある程度のプレミアムは正当化できるとしている。

 また上海株式市場は、印紙税引き下げの発表前に底入れの兆しが出ていた。23日の上海総合株価指数は、政府の株価対策への期待もあり、4.15%高の3278.330で終了。2005年6月─2007年10月の高値からの61.8%戻しで下値支持線となっていた2956を上回った。

 1月中旬以降の下落局面の安値から38.2%戻しを達成すれば、4000台に乗る計算だ。

 平安証券のストラテジスト、Li Xianming氏は、印紙税引き下げを受けて、24日の市場では多くの銘柄が値幅制限いっぱいの10%高まで上昇するだろうと予測。上海総合株価指数は少なくとも4500ポイントまで上昇する可能性があるとの見方を示した。

 同氏は、今回の印紙税引き下げに先立ち、証券当局が、ロックアップ期間の切れる株式の大量売却を規制していたことに触れ、「政府は明らかに複数の対策を組み合わせて、慎重に3000割れを阻止しようとしている。まだ別の対策を用意しているのかもしれない」と述べた。

 高揚感が漂うなか、今回の措置は長期的には株式市場にとってマイナスだと懸念する声もある。

 市場原理ではなく、政府の対策で株価が決まれば、企業の安定した資金調達の場としての株式市場の発展は期待できないという指摘だ。

 中国政府は昨年5月、投機的な株式取引を抑制するため、印紙税率を0.1%から0.3%に引き上げている。今回税率を0.1%に戻したことで、新たな投機を招き、再び政府の介入が必要になるのではないかとの懸念もくすぶる。

 オリエント証券のZhang氏は「そうなれば、再び政策主導の相場に逆戻りすることになる」と語った。

 (Samuel Shen記者;翻訳 深滝壱哉)

 
 
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