FOMC声明文言修正、緩和局面は条件付きで停止か
[ワシントン 30日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は、30日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に発表した声明の文言を調整したが、市場では、金融緩和局面の条件付き停止を示唆したものと受け止められている。
FRBは2003年の利下げ局面停止の際にも声明の文言を修正している。
2日間の日程で開催された今回のFOMCは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き下げ2.00%とすることを決定した。
FRBは経済活動が弱いことは認めたが、同時に昨年9月以来の累計利下げ幅が3.25%ポイントだったことを強調した。
FRBはさらにこの日の声明で「成長への下振れリスクは引き続き存在する(downside risks to growth remain)」の文言を削除し、明確な追加利下げシグナルを取り下げた。この文言は、累計125ベーシスポイント(bp)の利下げを実施した1月30日と3月18日のFOMCの声明には盛り込まれていた。
75bpの緊急利下げが実施された1月22日の声明では「成長に対するはっきりとした下振れリスクは引き続き存在する(appreciable downside risks to growth remain)」と、より踏み込んだ文言だった。
FRBは、30日のFOMC声明主文の最後の部分について「必要に応じ行動する(will act as needed)」という文言を復活させ、1月以来言及していた「タイムリーに行動する(act in a timely manner)」という、より直接的な文言を調整した。
この「タイムリーに行動する」との文言は、住宅市場の問題が実体経済に与える影響が拡大しないように緊急利下げに動くことを市場に示唆したものだ。実際にFRBは1月22日に緊急利下げを実施した。
<追加利下げのドア閉じられたが施錠されず>
アーガス・リサーチのリチャード・ヤマロン氏は「FRBは追加利下げのドアを閉ざしてしまった。しかし、金融市場の混乱や信用危機が拡大するような事態に備え、ドアのカギは掛かっていない状態だ」と述べた。
米金利先物市場では、6月の次回FOMCで0.25%幅の追加利下げがあるとの確率は24%程度で、FF金利は年内2%で据え置かれるとの見方が大勢になっている。
03年6月にFRBは、FF金利を1%まで引き下げた長期金融緩和サイクルを中止したが、その際もFOMC声明で追加利下げを示唆する文言を削除している。
同年5月に開催されたその前回FOMC声明では「総合的に見て、目標達成に対するリスクバランスは、予見されうる将来において弱い方向に傾いている(taken together, the balance of risks to achieving its goal is weighted toward weakness in the foreseeable future)」と指摘されていが、同年6月のFOMC声明ではこれが削除され、インフレのリスクが言及された。
今回のFOMCでは、コアインフレ指標は若干改善したが、「エネルギーや他の商品価格は上昇し、インフレ期待の一部指標は過去数カ月に上昇した(energy and other commodity prices have increased, and some indicators of inflation expectations have risen)」と指摘。
今回「インフレ」という言葉は、前回3月18日のFOMCと同様、5回言及されたが、今回は「インフレ見通しをめぐる不確実性は依然として高い(uncertainty about the inflation outlook remains high)」と警告した。これは3月の「インフレ見通しをめぐる不確実性が高まっている(uncertainty about the inflation outlook has increased)」に比べ、より踏み込んだ表現になっている。
IDEAグローバルの米国担当チーフエコノミスト、ジョセフ・ブラシュラス氏は今回の声明について「FRB議長とFOMC委員らが、インフレ期待に関する問題が発生していることを明確に認識していることを示唆するものだ」と述べた。
(ロイター日本語ニュース、原文執筆:Alister Bulln、翻訳:宮本 辰男、編集:石田 仁志)
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