今週の東京市場、楽観論修正なら株売り/債券買いも
[東京 12日 ロイター] 今週の東京市場は、内外景気の先行きや金融不安に対する行き過ぎた楽観論の修正がどこまで出てくるかがポイント。国内では15日に3月機械受注、16日に1─3月期国内総生産(GDP)、海外では13日に4月米小売売上高、14日に4月米消費者物価指数など景気指標の発表が相次ぐ。
景気先行きへの不透明感が強まれば株売り/債券買いを促しそうだ。
<マクロ関係>
●12日に白川日銀総裁が日本記者クラブで講演
白川方明日銀総裁が12日に日本記者クラブで講演する。日銀は4月30日に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で金融政策運営について「現在のように不確実性が極めて高い状況のもとで、先行きの金融政策運営についてあらかじめ特定の方向性を持つことは適当ではない」とし、これまでの利上げ路線から柔軟姿勢に転換した。12日の講演はこうした方針をあらためて確認すると同時に、引き続き白川総裁のカラーを読み取る場となりそうだ。
●道路特例法案が衆院で再可決・成立へ、民主は問責提出しない方向
政府・与党は13日の衆院本会議で、ガソリン税などの税収を10年間道路整備に充てることを定めた道路整備財源特例法改正案を再可決・成立させる方針。民主党など野党は福田康夫首相が掲げ、同日の閣議で決定される見通しの2009年度からの道路財源の一般財源化と矛盾するとして反対姿勢を強めている。ただ、当初想定していた福田首相に対する参院での問責決議案提出は、その後の審議拒否が国民の理解を得づらいとの判断から見送る方向だ。
<マーケット関係>
●株式市場は弱含み、行き過ぎた楽観論の修正局面へ
株式市場は、弱含みの展開となりそうだ。金融問題や景気の先行きに対する行き過ぎた楽観論が修正を迫られつつある。2009年3月期の低調な企業業績見通しはある程度織り込んだが、新たな成長ストーリーがみえてこない段階で、日経平均1万4000円以上の上値は追いにくい。これまでの上昇ピッチが速かったこともあり、テクニカル面でも調整が入りやすいタイミングだ。
●外為市場は米消費関連指標・米株の動向に注目、円高リスクも
外為市場は、信用収縮が米国の実体経済にいかなる影響を与えたかを確認する一週間となりそうだ。特に米小売売上高や米ミシガン大消費者信頼感指数等の消費関連指標が注目される。ゴールデン・ウィークをはさんだ直近の2週間では、金融市場の正常化期待や米経済に対する行き過ぎた悲観論の修正でドルが買い戻されたが、12日から始まる週では経済指標を見極めながら、方向感の「仕切り直し」が予想され、景気指標や米株の動向次第では、円高リスクがありそうだ。
ユーロは、投機的なポジションが売り持ち(ショート・ポジション)に傾いていることもあり、下落したとしても、対ドルで反発しやすい環境だ、との指摘が為替トレーダーの間で多い。
●円債市場は強弱材料対立で波乱含み、流動性低下で海外勢の動きに警戒
円債市場は、波乱含みの展開が見込まれている。6月国債大量償還やインデックス年限長期化(5月末)などを背景にした需給改善期待が債券買いを促しそうだ。一方、金利低下局面では、4月からの調整相場で保有債券の含み損を抱えた投資家からの戻り売り圧力が根強い。原油価格が騰勢を強めた場合、グローバルなインフレへの懸念も強まりやすい。強弱材料が対立する中、国内勢のリスク許容度が下がって市場の流動性が低下しており、海外勢の動きによって相場が大きく振れる可能性もある。
<企業ニュース関係>
●3月期企業の決算発表が終盤に、日立やソニーの今期予想に注目集まる
3月期企業の決算発表は終盤に突入する。期末から45日以内に決算発表を行うルールが定着しつつあり、これまで発表が遅れていた大手銀行も早々と登場。15日にみずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)、住友信託銀行(8403.T: 株価, ニュース, レポート)、16日には三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)とりそなホールディングス(8308.T: 株価, ニュース, レポート)が発表する予定だ。
事業会社の大所もまだ残っており、特に注目は13日の日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)と14日のソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)。「トヨタ・ショック」がくすぶる株式市場だけに、13日の日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)も目が離せなくなりそうだ。
<主な経済指標関連>
12日(月曜)
08:50 4月マネーサプライ(日銀)
ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、4月マネーサプライ(M2+CD)の予測中央値は前年比プラス2.2%となった。同時に発表される広義流動性は前年比プラス3.1%となり、3月と横ばい圏内の伸び率になることが見込まれている。
14日(水曜)
08:50 4月国内企業物価指数(日銀)
ロイターが民間調査機関の予測をまとめた結果、予測中央値は前年比3.6%上昇となった。伸び率としては、3月のプラス3.9%を下回りそうだ。暫定税率の一時的失効を受けて、石油製品価格が低下したことが影響したという。
08:50 3月経常収支(財務省)
ロイターが民間調査機関の予測をまとめたところ、予測中央値は2兆8200億円程度の黒字となった。前年比伸び率は14.2%減と、3カ月ぶりのマイナスとなりそうだ。貿易黒字が大きく減少したため。同時に発表される2007年度の黒字は過去最高水準となりそうだ。
15日(木曜)
08:50 3月機械受注(内閣府)
ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、3月機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比マイナス5.5%と、2カ月連続の減少となりそうだ。1月にプラス19.6%と大幅に増加したことの反動が、2月に続き3月も出そうだ。しかし、1─3月期受注の内閣府見通し(前期比3.5%増)については達成可能との見方が多い。
16日(金曜)
08:50 1─3月期国内総生産(GDP)(内閣府)
ロイターが民間調査機関の予測をまとめたところ、予測中央値は前期比プラス0.6%、年率プラス2.5%となった。2日に算出した予測中央値と変わらなかった。設備投資は落ち込むが、外需と消費がけん引役となりそうだ。同時に発表される2007年度のGDPも政府見通しを上回るとみられている。潜在成長率(1%台後半)を明確に上回る成長率を記録した可能性が高いとの声が多く聞かれた。
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