決算みどころ:大手銀グループの09年3月期、増益基調の見通し

2008年 05月 14日 09:57 JST
 

 [東京 14日 ロイター] 大手銀行グループ8社の2009年3月期は、想定以上の損失がかさんだサブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)関連やグループの消費者金融事業などの損失が前期に一段落することで、当期利益ベースで増益基調になりそうだ。

 ただ、銀行の本業部分のもうけを示す業務純益は、国内貸出市場の低迷に加え、収益を下支えしてきたリテール部門や法人部門での手数料収入の伸び悩みに直面し、微増かほぼ横ばいにとどまる見通し。

 国内景気の減速感が強まる中、足元では中小企業の倒産がじわりと増加しつつあり、09年3月期は与信関連費用も増えかねない。他方、クレジット市場の混乱による欧米金融機関の貸出余力低下をにらみ、邦銀グループは海外での貸出拡大を目指している。だが「リスク・テークに憶病になっており、取れるリスクも取ろうとしていない」(金融当局幹部)との指摘もあり、大手銀グループの収益構造が大きく変化する兆しはまだ、見えてこない。

 <08年3月期で証券化商品関連損失は一服、09年3月期は当期利益2けた増も>

 サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した証券化商品にかかわる損失は、邦銀グループの場合、08年3月期決算がピークにるとの見方が支配的だ。09年3月期に向けて「損失は出るだろうが、インパクトは小さくなる」と野村証券金融経済研究所の守山啓輔シニアアナリストは分析する。決算発表では、各行は金融庁から要請を受け、証券化商品のエクスポージャーを可能な限り開示する。日米欧の監督当局で作る金融安定化フォーラム(FSF)がまとめた100日以内で証券化商品の情報開示を強化するプランを世界で先駆けて実施することになる。

 新生銀行などは現在でも証券化商品に対するエクスポジャーの全体像が見えないとされるが「このプランに則れば、保有する証券化商品の実態が相当程度明らかになる」(国内証券ファンドマネージャー)との期待もある。

 しかし「金融庁からの要請はあくまで努力目標。どこまで開示するかは各行でバラつきが生じる」(大手行幹部)ため、将来の損失リスクが見通せるかどうかは不透明だ。

 サブプライム関連損失に加え、当期増益の条件はグループや緊密先の消費者金融会社の業績持ち直し。さらに株価下落による持ち合い株の減損処理も回避する必要がある。見逃せないのが不良債権処理損の拡大だ。足元では中小企業などの経営破たんが高止まりして推移しており、いつ増加傾向に転じてもおかしくない。「クレジットコストの増加が当期増益シナリオを狂わせる可能性もある」(外資系証券アナリスト)との懸念も根強い。  続く...

 
 
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