燃料高で苦戦の電力会社、ディフェンシブ銘柄の地位に揺らぎ

2008年 05月 29日 16:33 JST
 

 水野 文也記者

 [東京 29日 ロイター] 原油や石炭など燃料費価格の上昇で、電力会社の苦戦が目立つ。これまでは安全弁のように作用していた燃料費調整制度でも、コスト上昇がカバーできないケースがあるとの指摘もあり、市場で長く保ってきたディフェンシブ銘柄としての地位が大きく揺らいでいる。

 電力会社の2009年3月期業績見通しは、関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)など軒並み営業減益を余儀なくされる見通しだ。

 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)は、柏崎刈羽原発の運転再開の時期などのめどが現時点で立っていないことを理由に利益予想を公表しなかったが「夏まで(の運転再開)は厳しいと思っている」(同社の勝俣恒久社長)とする同原発が、年度内に運転再開されない場合、営業赤字に転落するとの見方がアナリストの間で広がっている。

 <東電は原発停止と原油高の二重苦>

 苦戦の背景にあるのは、原油や石炭といった燃料価格の高騰であるのは言うまでもない。昨年7月に発生した新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原子力発電所が全面停止したことに伴い、代替の火力発電燃料費や他電力からの購買電力料、復旧費などのコストアップで苦境に陥った東京電力だけではなく、他の電力各社も原油価格の大幅上昇や原料炭価格の引き上げに頭を痛めている。

 ゴールドマン・サックス証券・アナリストの酒井田浩之氏は「原油価格の上昇ペースがあまりにも早くて対応が追い付いていない上に、公共料金であるため利益確保のため、顧客に負担を強いるのは容易ではなく、積極的な対策も打ちにくい」と指摘する。

 同証券では、米国産標準油種であるWTI先物価格が1バレル=110ドルで推移すると仮定して、東京電力の09年3月期経常赤字は3000億円に達すると想定。足元の1バレル=130ドルで推移した場合、経常赤字は5000億円に拡大するという。さらに関西電力の経常利益は会社側予想の1150億円に対し700億円程度にとどまると分析している。  続く...

 
 
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