野村証、生保や民営化IPO前に営業体制見直し
江本 恵美記者
[東京 20日 ロイター] 株価の低迷で沈滞したムードの漂っていた証券業界の視界に、新たな顧客を生み出すチャンスとなる大型の民営化案件や大手生保の新規株式公開(IPO)が入ってきた。業界のガリバー、野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)は顧客数の急増を予見し、傘下の野村証券の営業体制見直しに乗り出した。
資産規模などで顧客を区分けし、より効率的な顧客囲い込みを目指す。野村の試み次第では、業界地図の大変動も起きそうだ。
7月1日付で実施する今回の組織改正では、リテールの営業チャネルを「資産管理課」、「お客様サービス課」、「ファイナンシャル・アドバイザー課」の3課体制から、4課体制に抜本的に変更する。これまで支店営業は、主に、来店してくる顧客への店頭対応か、営業員による外交かといった営業形態によって切り分けしてきた。新しい体制では、企業経営者かどうかなどの属性や資産規模で色分けして対応する。
具体的には、来店した顧客は「ファイナンシャル・サービス課」で担当するセクションを決め、資産形成にかかわる綿密な相談を要する顧客は「ファイナンシャル・コンサルティング課」、事業承継などにも関心の高い中小企業オーナーや法人、富裕層には「ウェルスマネジメント課」が対応するという仕組みにした。転勤のない地域密着型のファイナンシャル・アドバイザー(FA)がコンサルティングをする「FA課」の役目は、現状を維持する。
野村証券が支店の営業体制を見直すのは、氏家純一会長が同社トップになった1997年以来、約11年ぶりとなる。
この大掛かりな組織変更を決断した背景には、何があったのか──。2008年3月期末時点の口座数416万口座、預かり資産残高72兆円と、文句なしに業界トップをひた走る野村証券の多田斎専務は19日の記者会見で「顧客の求めるサービスと営業体制がミスマッチを起こしていた」と説明。さらに「顧客がサービスをよりよく選べる体制を構築したい」と答えた。
実は、この新方針は、野村が先陣を切ったわけではない。業界のライバル、大和証券は4年前に、野村がまさに始めようとしている体制をスタートさせた。大和は2004年4月、富裕層や未上場の事業法人などを主な顧客と位置づける「上席コンサルタント」を配置。「投資家のニーズによりよく応えるための営業体制」(大和証券グループ本社(8601.T: 株価, ニュース, レポート)広報担当)を整備した。 続く...















