焦点:FOMC声明は「ハト派的」、ドル売り圧力続くとの見方
[ニューヨーク 25日 ロイター] 米市場関係者の間では、25日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受け、今後もドル売り圧力が続く可能性が高いの見方が浮上している。
声明が利上げを急ぐ姿勢を示さなかったとの見方が背景。欧州中央銀行(ECB)は、来月の利上げを示唆している。
今回のFOMCでは、市場の予想通り、2007年9月以降初めての金利据え置きを決定。声明では前回よりも強い調子でインフレへの懸念を表明した。
声明は、次の政策変更が利上げになることを示唆したが、8月の利上げをにじませる内容ではなかった。
欧州中央銀行(ECB)は7月にも利上げを実施する意向を示しており、市場では、ECBと比較すればFOMC声明はハト派的との指摘が出ている。
コモンファンド(コネティカット州)のチーフエコノミスト、マイケル・ストラウス氏は「連邦準備理事会(FRB)は、今後3─6カ月間、板ばさみの状態が続く。景気が減速している半面、物価はやや上昇している」と述べた。
FOMC声明の発表後、ドルは対ユーロで2週間ぶりの安値となる1ユーロ=1.5686ドルまで下落。金利先物市場が織り込む8月の利上げの確率は、48%から33%に低下した。
金利先物市場は、9月までの利上げの確率を100%織り込んでいるが、米経済の先行き不透明感は強く、将来の利上げ観測を材料に積極的にドルのロングポジションを積み上げる状態ではないという。
市場では今月、FRB当局者がインフレに強い警戒感を示したことを受けて利上げ観測が強まり、ドルは3月につけた最安値の1.6018ドルから約2%上昇していた。
スコシア・キャピタル(トロント)の為替担当シニア・ストラテジスト、スティーブン・マイロン氏は「ユーロ/ドルはかなり不安定だ。市場はFRBの意向を正確に見極めようとしている」と指摘。「為替市場の反応は、FRBが今後の方針を決めかねており、次回の措置について強いシグナルを送らなかったことを反映しているのだろう」と述べた。
一部のアナリストは、ECBの利上げ観測を背景にユーロが1.60ドルの水準を試すのではないかと予想している。
MGフィナンシャル(ニューヨーク)のトレーディング・ヘッド、ディクソン・ファン氏は「市場は、ECBの利上げが1回で終わるとは考えていない。われわれは、複数回の利上げがあるとみている」と発言。
「ドルの状況を考えれば、ECBとしても(複数回の利上げを実施するとは)言えないだろう。ECBがそれを明言すれば、1.60ドルを超える水準までドル安が進む。われわれはECBの連続利上げを予想している」と述べた。
FOMC声明では、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁が利上げを主張して金利据え置きに反対票を投じたことも明らかになった。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替担当シニア・ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「フィッシャー総裁が即時利上げを主張した点はかなりタカ派的と言えるが、他のメンバーもすぐに利上げに賛同するという強い切迫感は感じられない」とし、「ECBは来週利上げするとみられ、総合的にみれば、ドル売り圧力が続く可能性がある」と述べた。
(Vivianne Rodrigues記者;翻訳 深滝壱哉)
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