夏休み旅行に原油高と景気の重荷、「安近短」には追い風も
[東京 7日 ロイター] 航空機の燃油サーチャージ上昇、景気への不安感などが悪材料となって、夏休みシーズンに向けた旅行商戦は梅雨模様が続いている。湿り気味のツアー予約を映し、旅行各社の収益は苦戦が予想される。
その半面、いわゆる「安く、近く、短距離」の旅行ニーズは拡大するとみられ、原油高や景気不振という環境悪化から思わぬメリットを享受しそうな企業もある。
JTBが4日に公表した2008年夏休み(7月15日─8月31日、1200人が回答)の旅行動向によると、今年の夏休み期間の旅行人数は国内が前年比0.9%減、海外が同7.0%減と落ち込む見通しだ。前年の旅行者数を下回るのは、国内では4年ぶり、海外は2年連続だという。
減少の要因としてJTBが指摘するのは、経済の先行きへの不安感と燃油サーチャージの高騰などだ。旅行者にとって、とりわけ燃油サーチャージ上昇の打撃が大きい。たとえば、夏休み時期における日本航空(9205.T: 株価, ニュース, レポート)のハワイ旅行でかかる燃油サーチャージは、3年前が1人あたり1万円だったのに対し、今年は4万円に跳ね上がっており、家族4人でハワイ旅行をする場合、旅行代金とは別に16万円の燃油サーチャージを支払う必要がある。この影響で、海外旅行を控えるケースが生じているほか、「旅行先を近い場所に変更したり、国内旅行にシフトする傾向もみられる」(JTB)という。
夏休み旅行予約の出足は、業界全体に湿り気味だ。「前年に比べて海外パッケージツアーは苦戦。国内についても、前年度下半期は、燃油サーチャージの影響で海外から国内にシフトする傾向があったが、足元での国内も前年並みにとどまっている。燃油だけではなく、景気の影響も大きいのではないか」と近畿日本ツーリスト(9726.T: 株価, ニュース, レポート)の広報担当者は話す。
エイチ・アイ・エス(9603.T: 株価, ニュース, レポート)では、出発直前に予約する顧客が多いため、夏場の需要動向はこれからが見極め時。しかし、「現時点での予約は堅調だが、若年層やファミリー層の需要が増える7月下旬以降の動向に関しては不透明」(広報担当者)という。
燃油サーチャージや景気以外に心配されているのが、8月8日からの北京五輪の影響だ。近畿日本ツーリストでは、「これまでのトレンドとして、大きなイベントがある時は旅行が落ち込む傾向がある」(広報担当者)と、五輪ブームの反作用を懸念する。
クルージングなどの高額旅行需要は、景気や燃油サーチャージ上昇などの影響を受けにくい、との見方が多い。JTBでは物価上昇や燃油の影響はファミリー層には影響を与えるものの、高額消費のこだわり層は影響を強くは受けていないと分析。秘境ツアーや高額旅行などの熟練者が多く利用するユーラシア旅行社(9376.Q: 株価, ニュース, レポート)でも「秘境ツアーに関しては揺らぐ感じではない」(広報担当者)。同社によると、欧州旅行は前年比2%減、中国ツアーも四川大地震の影響で落ち込んでいる。燃油サーチャージ上昇の打撃は少ないが、「ユーロ高/円安の影響は出ているようだ」(同)という。 続く...
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