政府資産の運用効率化は国民の利益=公的年金で金融庁長官
[東京 7日 ロイター] 金融庁の佐藤隆文長官は7日の定例会見で、公的年金の運用改善をめぐる議論に関連し、政府資産の運用効率化の努力は国民全体の利益に資するとの見解を示した。
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が発表した2007年度の運用損失は5.8兆円となった。また、自民党のSWF(政府系ファンド)検討プロジェクトチームが公的年金SWFの設立を提言したり、経済財政諮問会議の民間議員がGPIFの改革を提案するなど、公的年金の運用改善に関する議論が広がってきている。
佐藤長官は「金融庁は公的資産の運用を所管する役所ではない。ファンドの創設を含め、公的資産の運用のあり方について直接的なコメントは差し控える」とした。ただ、「一般論として、政府が責任を持っている資産は、運用を最大限に効率化してより高いパフォーマンスに持っていく努力が国民全体の利益の増進に資する」との見解を示した。
サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題と世界的な金融・資本市場に関する現状認識としては「世界レベルでの深刻なシステミックリスクが具体化するがい然性は低下してきている」と述べた。一方で「原油や穀物の価格高騰によるインフレ懸念もあって、マクロ金融政策の制約要因にもなっている」と指摘。その上で「グローバルな金融市場の混乱はなお続いている」との見方を示した。
金融庁は先週、野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の野村証券の元社員によるインサイダー事件で、法人としての野村証券に業務改善命令を出した。さらに、生命保険会社10社に対しては、保険金の不払い問題で業務改善命令を発動した。
佐藤長官は「いずれのケースも、自ら再発防止策を策定するなど一定の業務改善は認められ、行政処分の軽減事由として考慮したが、今回の処分は今後のより一層の業務改善を促し、後押ししていく趣旨も併せ持っている」と処分を発動した理由を説明した。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二)
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