米GSE支援策には米資産離れのリスク、ドル見通し改善せず
[ニューヨーク 14日 ロイター] 米政府が、米政府系住宅金融機関(GSE)の米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)の支援策を発表したが、これまでのところ米ドルの暗い見通しは改善していない。
米財務省と米連邦準備理事会(FRB)が13日に発表した支援策に、大半の外為トレーダーやヘッジファンドのトレーダーが懐疑的な見方をしている。
米ドルは、支援策の発表を受けていったん上昇した。しかし、外為トレーダーは、政府の支援策には、米住宅価格のさらなる下落、ひいては住宅ローンの焦げ付き増加、ファニーメイやフレディマックが組成したモーゲージ債(MBS)の損失拡大に歯止めをかける効果がほとんどないのではないかと懸念している。
PIMCOのグローバル・インベスター・シリーズFXストラテジーズ・ファンドのポートフォリオ・マネジャー、トーマス・クレッシン氏にとっても、発表を受けたドルに対する楽観的見方を維持できるかどうか判断は難しい、という。
同氏は、11日に米大手住宅ローン会社インディマック・バンコープIMB.Nが事実上経営破たんしたことを踏まえ「ファニーメイとフレディマックの問題は一時的に緩和したかもしれないが、信用危機はまだ続いている」とし「11日はインディマック。あす、あらたな破たん話が出てくる可能性もある。まるで地雷だ。次はどこで爆発するか分からない」と述べている。
13日発表されたGSE支援策では、財務省がファニーメイとフレディマックへの融資枠を一時的に拡大、FRBは両GSEが必要な場合に連銀窓口貸出制度を利用することを認める、といった措置が打ち出された。
PIMCOのクレッシン氏は、ファニーメイとフレディマックの分を除くと、米国の信用供与の規模は減少しており、銀行業界全体としては、バランスシート(貸借対照表)上のレバレッジ外し、つまり帳簿上からリスク資産を減らそうとする動きが出ていることを示す、と指摘した。
<支援策が持つ米財政への影響がドルの弱材料に>
今回発表された支援策がドルを圧迫するもう一つの要因は、財政への影響だ。
米財務省の支援措置は、財政赤字を拡大させ、対国内総生産(GDP)比の赤字比率を上げる可能性がある。そうなると、トリプルAの格付けも危うくなる。それは、外国の米財務省証券(米国債)購入意欲を冷やし、ドル相場に悪影響をもたらす事態だ。
ヘッジファンドTGキャピタルのデビッド・グリーンワルド最高執行責任者(COO)は「財政面で納税者にかかる負担が甚大で、それが米経済とドルにとってネガティブとなることを懸念している」という。
支援策発表を受けたドル上昇はたいしたことなく、対円では106.80円をわずかに上回る水準と、上昇幅は75ポイントに過ぎないと指摘。
「オーバーナイトで、ドル/円は106.80円を超えられず、S&P500種株価指数先物は不安定な動きだったのは、支援策への疑念がかなりのものであることを示す」と述べた。
FXコンセプツといった大手ヘッジファンドは、ドルショートを固持し、高金利の新興国通貨を買っている。
FXコンセプツのジョナサン・クラーク副会長は、GSE支援策は、ネガティブ要因を若干排除しただけでリスクがある、とみなし、ドル売り/高金利通貨買いを選好する、としている。
(ロイター日本語サービス 原文:Gertrude Chavez-Dreyfuss 記者、翻訳:武藤邦子)
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