ドル100円割れ観測が再浮上、FRB議長証言でドル売りの流れ確認

2008年 07月 16日 13:37 JST
 

吉池 威記者

 [東京 16日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受け、外為市場ではドル売りの流れが確認できたとして、ドル/円の100円割れシナリオを描く参加者が増えている。

 米政府系住宅金融機関(GSE)の支援策が13日に発表されたばかりだが、米政府の実際の動きは鈍く信用不安の解消にはつながっていない。11月の米大統領選を控え、金融市場を取り巻く環境の改善や景気浮揚策などは期待できないとの見方が広がっている。

 バーナンキ議長は15日、上院銀行委員会で証言し、目下の米経済への脅威について住宅市場の低迷やクレジットのひっ迫、原油価格の上昇を挙げた。その上で、金融市場の安定回復がFRBの最優先事項との認識を示した。また、米金融市場などは依然「かなりの緊張(considerable stress)」の下にあると指摘した。6月下旬の連邦公開市場委員会(FOMC)では、成長の下振れリスクがやや低下したとしたとの判断を示していたが、今回は一転して悲観的な内容を示した、と受け止められた。

 この証言を受けて15日NYの外為市場ではドル売りの流れが加速、一時104.16円に下落、6月3日以来の水準となった。

 米原油先物が130ドル半ば付近に大きく下落したことや、16日の東京市場では、本邦輸入企業の押し目買いがみられ、ドルは下げ渋ったものの、海外ファンド勢の売りに押されている。目先は「ドル売りに変わりない」(資本筋)との声が聞かれる。

 三井住友銀行市場営業部副部長の小池正道氏は、バーナンキ議長の議会証言に関し「米国はますます危うい状況に追い込まれているという印象だ。米金融当局は様々な対策を講じているが、それらの実効性については不確実性が高く、当局にできることは限られている」と指摘する。そのうえで「米金融政策は緩和的にならざるを得ず、これは賃金インフレを警戒する欧州当局のスタンスと対照的であり、ドル安の環境は整っている」との見方を示す。

 みずほコーポレート銀行国際為替部次長の竹中浩一氏は、ドル/円は年末に向けて100円割れの可能性を指摘している。竹中氏は「原油価格が下落しても、不動産価格が下がり、景気の急激な改善は見込めない。失業率も高止まりし、ドルがじりじり売られる展開を予想する。年末に向け、95円ぐらいまで下落する可能性が高くなるのではないか」との見立てだ。  続く...

 
 
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