中長期的な物価観変化、政策判断の重要ポイント=6月日銀会合

2008年 07月 18日 10:53 JST
 

 [東京 18日 ロイター] 6月12、13日に開催された日銀金融政策決定会合で、複数の委員が、人々の中長期的な物価観に変化が生じるかが、政策判断を行う際の重要なポイントの一つになる、との認識を示していたことが、18日公表の議事要旨で明らかになった。

 物価高への対応をめぐっては、世界的に利上げの動きが目立っているが、複数の委員は「国際商品市況高騰の影響の表れ方はそれぞれの国の状況に応じて異なっており、したがって金融政策の方向性にも違いが生じうる」と指摘。「日本経済は賃金が目立って上昇しておらず、これまでのところ、石油製品や食料品の価格上昇が2次的な物価上昇に結びつく動きはみられていない」として、「需要が旺盛で賃金上昇圧力が強い国と異なり、日本の現在の局面においては、物価面のリスクよりも景気の下振れリスクを重視すべき」との見解を示した。

   ただ、複数の委員は「金融政策が効果を発揮するには長いラグを伴うため、中央銀行としては、足元の物価動向よりもやや長い目でみた基調的な物価動向に注意を払うべきであり、そうした観点から、人々の中長期的な物価観に変化が生じるかが、政策判断を行う際の重要なポイントの一つになる」との認識も示し、「世界的なインフレ傾向が強まる中で、日本も無縁であることはなく、インフレ予想が高まることを未然に防ぐ観点から、物価安定のもとでの持続的な成長パスをたどっていることにある程度の確信を得られれば、漸進的かつ早めに政策対応する必要がある」と指摘する委員もいた。

 <インフレ予想の上昇に警戒>

 原油など国際商品市況は高水準にあり、世界的にインフレリスクは一段と高まっている。こうした状況に対し、1人の委員は「新興国を中心に資源制約を上回る超過需要が発生していることが、エネルギー・原材料価格高の基本的な背景にある」と指摘。その上で「それらの国における政策対応が適切になされなければ、グローバルなインフレ圧力は高まることになる」と懸念を示した。

 また、複数の委員がグローバルな物価上昇に対して、金利の上昇が追いついていない可能性を指摘したほか、何人かの委員はエネルギー・原材料価格高が各国において2次的な物価上昇につながるかどうかは、賃金の動向が重要なポイントになる、との認識を示した。

 エネルギー・原材料価格高を背景に、国内消費者物価も上昇している。これに対して、1人の委員が「需要面からの価格上昇圧力は強くなく、現在のところ、値上げのモメンタムは、エネルギーや食料品など比較的限定的な範囲に止まっている」との見方を示す一方で、何人かの委員は「消費者が価格上昇に慣れてきていることなどを背景に、コスト高を価格に転嫁する企業の姿勢が徐々に強まっている」と指摘。こうした状況から全委員が「消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動を含め、先行きの物価動向について、より注意深くみていく必要がある」との認識を共有した。

 <米経済は不確実性大きい>  続く...

 
 
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