コンビニの7月既存店売上高好調、持続成長のカギは新顧客層定着

2008年 07月 22日 13:45 JST
 

 [東京 22日 ロイター] 7月に入ってから大手コンビニ各社の既存店売上高が前年比2ケタ増と大幅な伸びで推移している。天候に恵まれたほか、ICカード(タスポ)方式によるタバコの成人識別自動販売機が7月から関東を含めて全域に導入されたことや、節約志向によるお弁当など「中食」の売り上げ好調など複数の好条件が追い風になっている。

 ただ、タスポ要因は今年度限りの一過性で終わる可能性があり、たばこ購入を契機に増えた女性や高齢者など新規顧客層を定着させることができるかどうかが、来期以降の持続的成長のカギとなりそうだ。 

 ロイターの聞き取りによると、ファミリーマート(8028.T: 株価, ニュース, レポート)では、7月に入ってからここまでの既存店売上高が前年比14―15%増で推移している。7月に2ケタ増となれば、91年6月以来17年ぶりのことだという。ローソン(2651.T: 株価, ニュース, レポート)も足元まで2ケタ増で推移しており、このままでいくと2000年7月の上場以来初めてのこととなる。最大手のセブン―イレブン・ジャパンも、2ケタ近くの伸びで推移しているとみられる。 

 07年まで8年連続で既存店売り上げが前年割れしていたコンビニ業界にとって、今年は「神風が吹いている」(業界関係者)。タスポ導入による効果が予想を上回って出ているほか、たばこを購入するついでに缶コーヒーなどを『ついで買い』する向きも多い。さらには、景気低迷で節約志向が広がり、外食を控える代わりに中食と呼ばれるお弁当やおにぎり、パスタなど、調理を必要としない商品の販売が伸びている。特に7月は、タスポが関東でも導入されたほか、空梅雨気味で30度を越える真夏日が続き、コンビニにとって、またとない環境が整ったと言える。 

 あるコンビニでは、3―5月期のタスポ関連利益(タスポ導入に伴うたばこ売り上げ増による利益貢献)を「1」とした場合、6―8月期は「5」、9─11月期は「4」、12―2月期は「2.5」を想定している。関東を含め全国にタスポが導入された6―8月がピークで、以降は、普及率の高まりとともに、徐々に利益貢献は小さくなっていくと見ている。

 リーマン・ブラザーズ証券小売り担当アナリストの佐々木泰行氏は「すでにコンビニの店舗は飽和状態。今期の好調な業績でコンビニが復活したと見るのは危険だ。1年経てば逆の評価になる」と指摘している。09年2月期は、一段の上方修正の可能性を指摘する点でアナリストの見方はほぼ一致しているものの、タスポ効果が一巡した2010年2月期は「各社の実力が本当に試されることになる」(佐々木氏)。

 ある業界関係者は「たばこのなかでも、女性向けのたばこが良く売れている。写真入りのタスポを作り、それをかざして自販機でたばこを買うことに、女性は特に抵抗が強いようだ」と分析。また、別の関係者は「地方のコンビにでは、高齢者がたばこを買いに来る比率が高い」と述べており、女性や高齢者といった新規顧客層の獲得にも一役買っているようだ。タスポ効果がはく落した来年度も好調な基調を維持できるかどうかは、たばこ購入をきっかけにコンビニに来るようになった新規顧客層の定着を図れるかがポイントになりそうだ。  

  (ロイター日本語ニュース 清水 律子記者 取材協力:浦中 大我記者)

 
 

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