6月貿易黒字は前年比‐88.9%、輸出は55ケ月ぶりの減少に
[東京 24日 ロイター] 財務省が24日午前8時50分に発表した6月の貿易統計速報によると、貿易収支は1386億円の黒字となった。黒字額は前年比88.9%減少した。輸出は同1.7%の減少、輸入は同16.2%の増加だった。財務省によると、輸出が前年比マイナスとなったのは55カ月ぶり。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は5030億円の黒字で、発表数値は予想を大幅に下回った。
輸出は2003年11月以来の減少となったが、船舶、電算機類の部分品が押し下げに寄与した。船舶は値が張る上に、輸出頻度にもばらつきがあることが知られている。6月の輸出減少が一時的なものか、今後のトレンドになり得るかについて財務省では「特定は困難」としている。
輸出品目で増加したのは、世界的に需要が高まっている軽油などの鉱物性燃料、鉄鋼など。輸出数量も前年比マイナス1.4%と、16カ月ぶりに減少した。
地域別にみても輸出の減速が目立つ。米国向けは前年比15.4%減と03年11月以来、欧州連合(EU)向けは同11.2%減と02年3月以来の大幅な減少となった。アジア向けは1.5%増とプラスを維持したものの、05年5月(1.5%増)以来の小幅な伸びにとどまた。
一方、輸入は過去最高の7兆0210億円となったが、原粗油、石炭、液化天然ガスなどエネルギー関連が引き続き押し上げに寄与した。輸入原油価格は円ベースでは前年比55.9%上昇の8万0565円/キロリットル、ドルベースでは同80.2%上昇の121.7ドル/バレルだった。
6月の数字を受けて市場参加者からは「日本にとっては、全体の5割弱と高いウエートを占めるアジア向け輸出が伸び悩むと、全体への影響が大きい。米国経済の減速が波及しているというよりは、インフレ懸念を背景にアジアの国々が経済を犠牲にしてもインフレを抑制すべく金融引き締めなどのマクロコントロールに動いた影響が出始めたとみられる。下期に向けてアジア向け輸出が減少に転じることは間違いなく、全世界的に輸出が減少することは時間の問題」(住友商事総合研究所 チーフエコノミスト 奥田壮一氏)、「今回の日本の景気回復局面は、過去に比べて外需・輸出への依存度が極めて高いことが特徴。輸出の減少は日本の景気腰折れリスクを高める可能性がある」(シティバンク銀行 リテールプロダクト本部 為替市場調査シニアマーケットアナリスト 城田修司氏)、「いわゆるデカップリング論がかなり危うくなってきたというのが実感。輸出数量が鉱工業生産に1四半期程度先行することを勘案すれば、年内の鉱工業生産は、回復、停滞、後退のうち、停滞になりそうだ」(バークレイズ・キャピタル証券 チーフエコノミスト 森田京平氏)──などと今後の生産・景気に懸念を表明する声が相次いだ。
同時に発表された今年上半期の黒字は前年比42.1%減の2兆9586億円となった。6カ月ごとの動きをみると、01年上半期の44.3%減以来の大幅な減少となった。輸出は3.9%増と輸入の伸び(10.5%増)を大きく下回った。 続く...












