最高値圏のユーロ/円、170円台定着にはエネルギー不足

2008年 07月 29日 17:32 JST
 

 [東京 29日 ロイター] ユーロ/円相場は過去3週間にユーロ発足以来の最高値を更新してきた。市場では高値警戒感が強まるなか、ポジションの傾きやユーロ圏のファンダメンタルズ面から170円台で定着する可能性は限定的との見方が強い。

 ユーロ/円は「世界中がロング(買い持ち)にしたがっている」(外資系トーダー)と言われるほど、反落を繰り返しながらも上昇基調を維持してきたが、この上昇基調も曲がり角に差し掛かっている、との指摘が出ている。

 <インフレ心理の収束がポイント>

 ユーロの強さはインフレ抑制に軸足を据える欧州中央銀行(ECB)によって支えられてきた。トリシェECB総裁はインフレを抑制するスタンスを堅持しており、ユーロ圏の景気が多少悪化しても、また、ユーロ高で欧州の輸出業者が苦しんでも変化なしという断固たる姿勢を保ってきた。先行きについてはユーロ圏でのインフレ心理の収束がポイントとなりそうだ。

 「ECBは利上げスタンスを維持すると見ており、年内に利下げを実施する確率は低い。たとえ商品市況が落ち着いたとしても、期待インフレが落ち着くまでには時間を要するからだ」と野村証券、経済調査部シニアエコノミストの尾畑秀一氏は言う。

 インフレ心理が一旦落ち着けば、欧州の金融システム不安や、これまでの利上げ、ユーロ高といった景気下押し圧力を緩和させるために、「年末にも利上げスタンスを転換する可能性がある。この結果、欧米短期金利のスプレッドは縮小し、ユーロ安が進行するだろう」と尾畑氏は予想する。

 「米金融不安を材料にドル/円が注目されがちだが、円の実効レートは弱含みで推移しており、ユーロ/円もその流れで比較的堅調に推移しているようだ。日欧ともに景気減速感が強いものの、金利格差がユーロをサポートしている状況にある」とクレディ・スイス証券、経済調査部のエコノミスト、小笠原悟氏は語る。

 同氏は、来年に欧州で景気減速やインフレ率低下といった利下げ実施の環境が整えば、ユーロ下落の余地が高まるとし、今後3カ月間では、ユーロ/ドルの上値が1.65ドル、ドル/円の下値が103円、ユーロ/円の上値は170円付近と見る。  続く...

 
 
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