ポジション繰りが相場を支配、薄商いに漂う先行き不安
[東京 15日 ロイター] 夏休みシーズンもピークに差し掛かり、東京市場は取引の薄さが顕著になっている。相場全体が参加者のポジション繰りの影響を強く受けているといえ、国債先物市場では海外勢の一部が買いポジションを解消して大きな値動きになった。
外為市場でも貴金属の下落にもかかわらずクロス円が堅調になっており、背景にはポジションの傾きが指摘されている。一方で株式市場ではポジション調整の一巡後にマネーが商品に再び流出しかねない、との警戒感も出ている。
<株式市場は模様眺めで方向感定まらず>
株式市場で日経平均株価は小反発で取引を終えた。米株高や円安基調を好感し買いが先行したものの、1万3000円を挟み方向感の定まらない動きとなった。ある信託銀行関係者は、「典型的な夏枯れ相場」としたうえで「奇妙に安定している」と指摘する。市場では「大口のバスケット注文が入らず閑散としており、債券安でも株式先物は反応していない。現物の下値に国内長期運用資金とみられる買いが入り、指数を下支えしている程度だ」(大手証券エクイティ部)との声が出ていた。
日経平均が1万3000円前後で下げ渋った背景には原油安の効果もある。株式市場は先進国の景気減速が新興国に波及することを懸念してきたが、足元の原油安や穀物など商品市況の下落は、インフレに悩む新興国にとって追い風になるとみられている。「下期の企業業績回復シナリオの実現性も新興国が利下げによる景気刺激策などで成長を維持できるかどうかがポイントになる」(カブドットコム証券マーケットアナリストの山田勉氏)と指摘される。
ただ、前出の信託銀関係者は、ロイター短観の悪化やユーロ圏のマイナス成長など日米欧同時不況の色合いが強まっていることに関し「ある程度予想されたこととはいえ、株価がすでに織り込んだとは断言できず、株価の下値に確信を持てない」と不安げだ。そのうえで「景気悪化の場合、金融システム危機と違い参加者に時間的な余裕があるため、急激な下げにはなりにくい。一方で原油価格が下落し、ドル/円が110円を回復したことで表面的には株価が落ち着いている」と解説する。
また、第一生命経済研究所主席エコノミストの嶌峰義清氏は、世界景気の減速感が強まる半面でインフレの強まりも再認識され、スタグフレーションの色合いが再強調されてきたとし、「きょうの国内市場で債券が売られているのも、このような背景があるのではないか」と指摘する。また、1980年代のスタグフレーション局面と違い、投資家にはコモディティという選択肢がある」としたうえで、今後のグローバルな資金の流れについて「マネーは債券や株式から再び原油などのコモディティに流入する」との見方を示す。
<クロス円、ドル/円とも先行きの相場を読めず> 続く...












