インタビュー:先進国はデフレ環境に陥る可能性=内閣府研究所所長
[東京 4日 ロイター] 岩田一政・内閣府経済社会総合研究所所長(前日銀副総裁)は、現在の日本経済には景気停滞が長引くリスクがあり、3年間の景気後退を経験した第2次石油ショック後に似ていると指摘した。
景気停滞の下で需給ギャップがマイナス方向に拡大していけば、物価の下押し圧力となり、エネルギー・食品を除く消費者物価指数が再びゼロ近辺に低下するリスクもあると分析。最近の原油・食料価格高騰にバブル的様相があったとすれば、今後はバブルはく落の過程で先進各国がデフレ的環境に陥る可能性に言及した。
岩田所長は、物価の先行きについて「エネルギー価格や食料価格が若干ピークアウトする動きが出ている。需給ギャップのマイナス幅が拡大していけば、わずか0.2%上昇の幅しかない(エネルギー・食品を除く)米国型コア消費者物価指数でみれば、さらにゼロ近傍になっていくことがあり得る」との見通しを示した。
先進国の間でデフレ的な環境に変化する可能性にも言及。国際決済銀行(BIS)の最近の報告でそうした指摘があったことを引用し「私の解釈によれば、米国では住宅バブル崩壊の悪影響で、金融市場や内需が悪影響を受けてグローバルにも実質成長率が減速するような方向で影響が出ている」と指摘。
一方で「原油・食料の一部が先物市場でバブル的な様相があって、それが少しはがれつつあるのかもしれない。そのバブルの部分がはがれるということがこれからも起こるとすれば、両方の資産価格のデフレの影響が強まって、(先進国全体で)デフレ的な環境になる」と述べた。
エネルギー・原材料価格の上昇が止まれば、日本経済にとって交易条件が改善に向かい、景気も底打ちするとの見方について、岩田所長は「確かに交易条件の悪化が止まれば景気回復の材料にはなる。しかし、問題はそれだけで潜在成長率の経路に回復する力があるかどうかだ」と問題を提起。「原油価格が下がる原因として単にバブル的な要素がはく落というだけなら、景気は自律回復するだろうが、仮にグローバルな成長が減速して原油価格が下がっているなら、日本の輸出は伸びないままとなる」と予測。
その上で「国内需要は若干回復するかもしれないが、輸出の回復は見込めないリスクがある。したがって交易条件改善だけで全て解決するとはかぎらない」と分析した。
景気回復のために財政政策や金利引き下げなどの政策対応が必要になるかとの質問に対して「どうやって持続的な内需中心の経済にしていけるかという議論は、前川リポートからずっと行われてきた。短期的にすぐに効果があがるというような性質のものではない。構造改革という視点が必要」と強調。「今度の定額減税という対策は、抜本的な税制改革の中で行うということになっているが、税制改革というのは構造改革の重要な要だと考えている。勤労意欲が高まるような方向、日本への投資意欲がわくような方向という点が大事だ」との考えを示した。 続く...














