RTC構想受け株価反発、米銀資本不足の解消には機能せず

2008年 09月 19日 14:39 JST
 

 [東京 19日 ロイター] 米当局が整理信託公社(RTC)型の不良債権処理機関を模索しているとの報道で米株が大幅反発し、日本株も買い戻されている。RTC型機関には公的資金が活用されるため、米当局が本腰を入れて金融不安に取り組み始めたとの安心感が出ている。

 しかし、RTCには金融不安の核心部分である米金融機関の資本不足を埋める機能がない。公的資金を資本注入に使うと米当局が決断するまで、米金融不安は収束しないとの見方がマーケットに出ている。

 <株式市場に安心感>

 株式市場では、日経平均が大幅に反発し、午後の取引で前日400円を超す上昇となった。RTC構想が伝わって前日まで危機的なムードに包まれていた市場に安心感が広がった。「金融株、自動車株などに海外勢の買い戻しが入っている。実需勢が積極的に動いているわけではないが、米当局の対応にスピード感が出てきたことから、全般にショートポジションをいったん解消しようというムードが出てきた」(準大手証券エクイティ部)という。

 米議会関係筋が明らかにしたところによると、ポールソン米財務長官は18日、金融問題の解決に向け、RTCのような不良債権処理機関の設立を複数の議員に示した。同関係筋はこの計画について、個別に企業を救済する必要がなくなるとの見解を示した。三菱UFJ証券・シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏は「大統領選挙を控えていることや、議会の反対などを考えれば、実現までに乗り越えるハードルは多い。だが、このような話が出て、米当局が金融問題についてとことんやるという姿勢を示したことが、市場からは評価された」とみている。

 <RTCの機能は不良資産の切り離し>

 RTC構想の具体案は明らかになっていないが、金融機関の抱えている不良債権や現在価格が付かなくなったような証券化商品などの不良資産を本体から切り離し、RTCが買い取って資産売却などで処理を進め、買い取った額と売却額との差額は売却損として公的資金で穴埋めする──というスキームになるとみられる。

 日銀OBで不良債権問題の解決方法に精通している第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏は「解決の処方せんに至る入り口にようやく立った印象はある」としながらも、「簿価と時価が大きくかい離する前にこの構想が出てくればよかったが、今となっては、間接的に税金を投入する額が非常に大きくなるおそれがある」と指摘する。  続く...

 
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